【ガンプラ作例】HGUCジム アクリジョンの全塗装
”みんなの練習用キット”こと、HGUCジムさんに工作を施し、アクリジョンの筆塗り全塗装で仕上げました。
超メジャーなキットなので、そのまま作っても面白くないと、プロポーションの変更とスジボリ、マホガニーカラーの下地塗装にチャレンジしました。
HGUC 1/144 ジム(公式サイト)
770円(税込)
2001年4月発売
機体解説
U.C.0079年10月。RGM-79ジムの本格的な量産が開始された。
それらは、RX-78の基本構造に基づいて再設計され、脚部やマニュピレーターなどの構造は、モニタリング装備やオプションの機動装備などを除き、ほぼそのままのスペックで建造された。
ただし、いわゆる”万能型”ではなく”余分な”装備をオミットするというコンセプトに基づいていた。つまり、投入する環境をあらかじめ選択することで、一方の装備は不要となる。その分、機体の軽量化とプロペラントの増加が可能となる。この構造は巧妙にシステム化され、基本的にはコア・ブロックと同等の中枢ブロックを換装することで、投入環境を選択できるようになっていたのである。
実際、そのブロックを除いた機体部品の共有率は九割以上とされ、ひとつの生産ラインで地上用と宇宙用の機体を生産することも可能であったという。そして、ジャブローにおける第一次生産機として、地上用の機体が42機生産され、初期の部隊編成に使用された。
続いて細部に設計変更が施された後、およそ6ヵ所(同年12月以降に奪回されたキャルフォルニアベースなどを含む)を生産拠点として、いわゆる第二次量産機が、終戦までに288機生産されていると言われている。
ちなみに、開発系統的に”RX-78を経由しない”機体も数種開発、あるいは先行量産されており、いわゆる”ジム”と呼ばれる機体の生産、平均スペック、投入時期や評価などを著しく混乱させている。問題なのは、それらを含めるまでもなく、一年戦争時に生産された「連邦軍製MS」の実際の総生産量自体、全くもって不明瞭であることだろう。
- 基本工作
- ゲート跡処理
- 合わせ目消し
- 平面出し
- 工作
- 首の延長
- 股関節位置の変更
- 二の腕の延長
- スジボリ
- プラ板工作
- 塗装
- マホガニー下地
- アクリジョン筆塗り全塗装
- 仕上げ
- デカール貼り
- デカールの段差消し
- 薄めたアクリジョンでスミ入れ
- 色鉛筆で色分け
HG初期の非常に古いキットでおもちゃっぽさが満載ですが、手を加えると令和の今でも見劣りしないカッコよさに仕上げることができます。
製作の参考になれば嬉しいです。
それでは、本編をどうぞ!
1.全体像
古く野暮ったい印象のHGジムを、スタイリッシュに仕上げるよう意識しました。
首、腕、脚部を延長し、パネルラインを多めにスジボリしています。
筆塗りの全塗装は、アクリジョンのマホガニーで下地塗装を行い、通常色を下地が透けるように重ねました。
古いキットでも、手を入れることで見栄えがするのではないでしょうか。
▼マホガニー下地の詳細はこちらをどうぞ。
本体等 ライトブルー部
ベースホワイト 90%
+ エメラルドグリーン 7%
+ インディブルー 3%
本体等 レッド部(濃)
つや消しレッド 100%
本体等 レッド部(濃)
あずき色 100%
本体等 レッド部
シャインレッド 100%
本体等 オレンジ部
オレンジ 100%
本体等 イエロー部
オレンジイエロー 70%
+ ベースイエロー 30%
バックパック暗色部など
マホガニー 100%
バーニアノズル
シルバー 100%
関節部
焼鉄色 100%
ハンドパーツ
ニュートラルグレー 100%
後頭部センサー
蛍光グリーン 100%
※すべてアクリジョン
2.工作
2-1.プロポーション変更
▲首は胴に乗せただけのような見た目で、そのままだと上下に動かすことはできません。
そこで真鍮線を使って、首のジョイントを延長し上下の可動域を設けることにしました。
わずかな差ですが、ポージングの表情付けができるようになりました。
▼工作のやり方はこちらにまとめています。良ければどうぞ!
▲HGジムは太ももがフロントアーマに干渉し、脚がほとんど上がりません。
これだとホーズが取りにくいので、もともとの股関節をノコギリで切り落とし、真鍮線を使って位置を下にずらすことにしました。
3mmほど下にずらすと、若干、脚が動きやすくなります。
その分、身長も伸びてしまいますけどね。
▼股関節軸の移動はコチラに詳しくまとめています。良ければどうぞ!
上腕にプラ板を貼り付け延長もしています。(1.全体像の写真をご覧ください)
2-2.プラ板工作
▲ジムの足首にあるシリンダーは造形がダルく、そのまま使う気にならなかったので工作しました。
既存のシリンダーをヤスリで削り落とし、半円型のプラパイプと1㎜のプラ板で新調しています。
焼鉄色で塗ったおかげで、きらりと光って良いワンポイントになりました。
3.部位詳細
3-1.頭部
▲頭部です。カメラアイの形が弱々しいジムさんを特徴づけています。不変のデザインですね。
- 耳(?)のモールド掘り直し
- スジボリ
- バルカンの砲身塗り分け(シルバー)
カメラアイのクリアパーツは、最後までマスキングして曇らないようにしました。
3-2.胴体
▲あっさりした胴体にも、スジボリでパネルラインを追加しました。
- スジボリ
- デザインナイフで削って段落ち
- 濃淡による色分け
赤は4色の濃淡で色分け、いずれも混色していません。瓶ママの色です。
マホガニーの下地が透けて、トーンが抑えめの落ち着いた色味になっています。
▼スジボリデザインの考察に付いてまとめています。
▼筆塗りならマスキングなしで簡単に塗り分けできます!
3-3.腰部
▲腰部はかなりあっさりしており、下手にスジボリを追加するとゴチャ着いた印象になってしまいます。
何気に難易度の高いスジボリだと思いました。
水色の濃淡は、アクリジョンで塗装した上から色鉛筆で色分けしています。
▼ガンプラの色分けに色鉛筆は全然ありです。筆で塗るよりカンタンに細かく色が付けられます。
3-4.腕部
▲腕部は、装甲が組み合わさった構造表現するため、パネルラインを追加しました。
スジボリの多い面・少ない面を意識して作ると、メリハリが出てよいと思います。
こちらの水色も色鉛筆で色分け。
上腕の付け根に積層したプラ板を接着し、2mmの延長工作を行っています。
3-5.脚部
▲脚部は、中央に出る合わせ目を丁寧に処理し、スジボリで情報量を追加しました。
特に0.7mmのタガネで、面をまたいで彫った短くて太い横向きのモールドがアクセントです。
単調にならないようスジボリの太さを変えると面白いです。
▼ちょっと変わったスジボリの解説をまとめてみました。
3-6.シールド
4.ポイントとアクシデント
4-1.ちょっとしたポイント
▲ヒジ、ヒザ、くるぶしにある”マルイチモールド”は丁寧に塗り分けると、作品が引き締まります。
面相筆などの細い筆を使えば、マスキングをしなくてもこの程度なら塗り分けられます。
▲古いHGキットの関節は、ポリキャップにカバーをかぶせただけのシンプルなものが多いです。
そのままだとオモチャ感が強いですが、写真のように少しモールドを追加するだけで見栄えが良くなります。
4-2.アクシデント
▲恐怖の瞬間です。
スリッパパーツを外そうと引っ張ったら、脚のジョイントがボキっと・・・。
完成の目前で起きたアクシデントに、筆者のテンションは下がります(笑
でも、慌ててはいけません。
▲折れた軸の中心にドリル刃で穴を開け、短く切った真鍮線を瞬間接着剤でくっつけます。
折れた軸の両方に穴を開け、真鍮線を補強材にしてくっつけると、あら不思議!
折れた軸が見事に復活し、可動も普通にできるようになりました。
※接着後は、激しく動かさない方が良いでしょう。
5.ポーズ
まとめ
以上、HGUCジムの全塗装作例でした。
パーツ数が少なく組みやすいので、スジボリや塗装の練習にピッタリなキットです。
ぜひ、皆さんも入手して練習やオリジナルのジムを作ってみてくださいね!
それでは、ステキな筆塗りライフを!
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