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基本工作

【オモチャっぽさを払拭】エッジを出してシャープな仕上がりに!平面出しのやり方も解説

筆塗りおじさん

ガンプラを組んでみたけど、どうもオモチャっぽいと思ったことはありませんか?

プラモデルは玩具なので当たり前ですが、プラスチックっぽさが全面に出てしまうと、どうしてもオモチャ感が出てしまいますよね。

オモチャっぽさを感じてしまうのは、パーツにプラスチック由来の凹みがあったり、角が丸まっていたりするためです。

そんなときは平面出しエッジ出しをしてみましょう!

ヤスリで表面を削って平らな部分をキレイに見せ、パーツの角をシャキッとさせる工作です。

この記事でわかること
  • 平面出しの必要性
  • 平面出しのやり方
  • エッジ出しのやり方
  • 平面出し・エッジ出しに必要な道具

ホビー雑誌に載っているプロモデラーの作品にはすべからく施されている基本の工作なので、最後までご覧いただけると嬉しいです!

それでは本編をどうぞ!

1.平面出し・エッジ出しの必要性

なぜ平面出しやエッジ出しを行うのでしょうか。

プラモデルのパーツは、成形時に熱した樹脂を金型に流し込みます

流し込んだ樹脂が冷えて固まる際に収縮するため、パーツ表面が凹んでしまうのです。
いわゆる「ヒケ」と呼ばれる現象です。

また、古いキットはパーツの角(エッジ)が丸まってシャキッとしないものが多くあります。

▼こちらは、かつて東京・お台場にあった実物大のガンダムです。

装甲表面はキレイな平面ですし、エッジもクッキリしていて非常にシャープな印象です。

プラモデルとはスケールが違うので当たり前といえばそれまでですが、本物に近づけるよう平面・エッジを出すことでプラモデル由来のオモチャっぽさをなくすことができるのです。

これが平面出し・エッジ出しを行う理由です。

2.用意するもの

平面出し、エッジ出しはパーツを削っていく工作です。

そのため、削る道具が必要になります。使うのは次の3つです。

  1. 金属ヤスリ
  2. スポンジヤスリ
  3. デザインナイフ

①金属ヤスリ

金属ヤスリ

平面を出すのに平たい金属製のヤスリは欠かせません。
プラスチック専用の高性能ヤスリで、精密なヤスリ目が高い切削力を実現しています。基本的に一方方向に押して使う道具です。

刃幅は6mm、10mm、20mmなどバリエーションがあるので、削る場所に合わせた幅を用意すると良いでしょう。

10mm1本あれば、たいていのパーツは削れます。

代表的な商品はコチラ。

②スポンジヤスリ

スポンジヤスリ

▲丈夫で弾力のあるスポンジにヤスリ面が接着されている道具で、スポンジに厚みがあるため”しなり”が抑えられ、平面出しに効果的です。

目の粗さは#120~#2000まであり、平面出しには粗目の#400程度が適しています。
※…数字が細かい方が目が粗い(切削力が強い)

代表的な商品はコチラ。

③デザインナイフ

デザインナイフ

▲切れ味の良い万能なナイフです。

刃の背中側を使いパーツ表面にカンナをかけるように薄く削って使います。

丸まったエッジをシャープにする仕上げに使います。

3.平面を出してみる

3-1.下準備

▲タミヤクラフトヤスリPro平 10mmを使っていきます。精密なヤスリ目のおかげで切削力が非常に強いです。

▲ヤスリで削るとプラスチックの粉塵が出ます。対策しないと部屋中が粉だらけになるので、水の入った容器を用意しましょう粉塵が水に落ちて舞い散らなくなります

3-2.ヤスリで削ってみる

HGジムの肩のパーツです。パーツの中央がヒケてくぼんでいるのがわかるでしょうか。そのままだと光の反射で平らに見えません。

平たい金属ヤスリ(筆者はタミヤクラフトヤスリPro平 10mm)で表面を削っていきます。金属ヤスリは押して使う道具なので、矢印の方向に押して削ります。力はそれほど入れる必要はありません。

数回削った表面がこちらです。やはりパーツ中央がくぼんでいるため、フチの部分しか削れていません。もう少し削っていきましょう。

結構削れてきました。あと一息です。面のすべてが削れるまでヤスリを押し当てます。

何度かヤスリで削りようやく平面を出すことができました。表面が若干荒れていますが、光の反射で平らになったのがわかるでしょうか。荒れた表面はスポンジヤスリなどでサッと整えるとキレイになります。

3-3.ヤスリの目が詰まったら…

金属ヤスリはプラスチックを削っていると、粉塵がヤスリ目に詰まり切削力が落ちてきます

そんな時は、DIY用のハケなどでさっと粉塵を払ってあげましょう
目が細かいので指やティッシュなどではキレイにすることができません。

少し払えば目詰まりが解消し、以前の切削力がよみがえります

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3-4.パーティングラインを消す

プラモデルのパーツには「パーティングライン」と呼ばれる線が入っているものがあります。これはパーツの成形に利用した金型の合わせ目です。デザイン上は存在しない線なので削って処理します。

やり方は平面出しと同じです。平らな金属ヤスリを押し当て、一方方向に押して削るだけです。力を入れすぎるとえぐれる可能性があるので、軽く押して削るイメージで、何度か刃を動かします。

何度かヤスリを動かすと、表面が削れてキレイな平面になりました。パーティングラインは立体的な一体成型タイプのパーツに多いので、見つけたら処理しておきましょう。

3-5.細かい部分も削る

パーツのフチも丁寧にヤスリをかけます。フチも反り返っていたり、凹んだりしていることが多く、やすりで平面を出しておくと、作品の完成度が上がります。

今度は幅6mmの少し細い金属ヤスリを使います。狭い箇所や奥まったところなど、10mm幅のヤスリが入らない場合は細いヤスリがあると便利です。

このように狭い箇所に細めの金属ヤスリを差し込み、適度な力で押し当てながら削り込みます。

3-6.大きなパーツを削る

シールドも目立つヒケがあるので平面出しをしていきます。ヤスリをかけるために一度組んだパーツを外していきますが、専用の「パーツオープナー」があると効率的です。先端の金属部分を隙間に差し込み、ぐりぐりと動かして外します。

ばらしたパーツがこちらです。パーツをハメ合わせる”ダボ穴”がある位置に目立つヒケが見て取れますヒケは裏側に凹凸があるパーツによく発生します。処理が必要な個所を探す際の参考になれば嬉しいです。

広いパーツは10mmの金属ヤスリで削ります。パーツ上部の耳の様に飛び出た部分は1段上がっているので削り落とさないようよけながらヤスリをかけます。やはりヒケてくぼんだ部分は削れずにそのままの状態で残っています。

耳の部分をよけるよう角度を変えながら慎重に金属ヤスリを動かし、キレイに平面を出すことができました。ヒケも平らになっています。

広いパーツは角度を変えて何度もヤスるため、知らない間にえぐれていることがあります。最終チェックも兼ねて、表面を整えるため400番のスポンジヤスリをかけておきます

ご覧の通り、ヒケや凹凸があった表面がキレイな平面になりました。粉が出たり時間がかかったり面倒な作業ですが、やっておくと確実に作品の完成度が上がります

4.ほかのツール

これまで紹介した金属ヤスリ・スポンジヤスリとは別のツールも紹介します。

筆者はあまり使わなくなりましたが、有名で人気のある商品です。

4-1.タイラー

タイラー

▲サテライトツールズというメーカーから出ているタイラーです。

プラスチックの当て木にサンドペーパーが付いたツールで、両端が反り上がりRが付いていることで、誤ってパーツの角を削ることがないようになっています。

ヤスリ目は#240~#800まであり、平面出しには#240~#400あたりが適しています。

▲当て木が付いているのでしなることがなく、パーツに押し当てて削ることで平面を出すことができます。

▲切削面はこんな感じ。何度か使ってサンドペーパーがだめになったら、自分でカットしたサンドペーパーに張り替えることも可能です(公式のやり方ではありません)

4-2.木の板に貼り付けたヤスリ

木の板に貼り付けたヤスリ

▲つづいてスジボリ堂から出ている「木の板に貼り付けたヤスリ」です。そのものずばりの商品名です(笑

ヤスリ目は#180~#1000まであり、切削力の高い粗い目の方が平面出しに向いています。

※スジボリ堂からもタイラーとにたマジックヤスリが出ています。こちらは両端にRがないタイプです。

▲これまでと同じように押し当てて削っていきます。板が薄いのでしなってしまい、金属ヤスリやタイラーよりは扱いにくい印象です。

▲切削面はこんな具合です。#400を使いましたが、サンドペーパーやスポンジヤスリの同じ番手より目が粗い感じを受けました。#600でも平面出しに使えると思います。

平面出しができるヤスリは様々なものがあります。

ここではとても紹介しきれないので、筆者が使ったことがあるもののみを取り上げました。

金属ヤスリに抵抗がある方は、当て木+サンドペーパーの組み合わせを検討しても良いと思います。

5.エッジ出し

パーツのエッジ(角)がバキバキに立った作品は、シャープな印象が際立ってカッコいいものです。

続いては、デザインナイフの背を使ってエッジ出しをやってみます。

▲エッジ出しをする前のパーツです。
光の反射のせいもありますが、若干エッジが丸まっておりシャープな感じがしない状態です

広い面のフチをデザインナイフでカンナ掛けしていきます。パーツと限りなく水平にした状態で刃を動かしうっすらと削するのがポイントです。

フチを削り終わったパーツがこちらです。タテに走った削り跡がわかるでしょうか。本当に薄く、面の端スレスレをナイフの背で削りました

削り終わった面を#400のスポンジヤスリで整えます。ざっと軽く擦って削り跡を馴染ませるイメージです。

つづいて、”C面”と呼ばれるパーツの狭い面を削っていきます。先ほどと同じようにデザインナイフの背を使います。面が均一に削れるように刃を動かしましょう

削り終わったのパーツがこちら。わかりにくいですが、平面を出しC面を削りこんだので、工作前よりシャープな印象になりました。

工作前パーツとの比較です。左が工作後右が工作前です。自己満足の世界かもしれませんが、平面・エッジを出すことでプラスチックっぽさが薄れた気がします。

6.仕上がりの確認

表面にヤスリをかけたのでツヤが消えた影響もあるかもしれませんが、工作する前と比べパーツのシャキッと感が出てシャープな印象になった気がします。

処理前は光の当たり方によってヒケやくぼみが目立ちましたが、処理後はどの角度から光を当てても平面にしか見えません。(写真だと伝わりにくいですが、肉眼だと結構違いが出ます。)

まとめ

以上、平面出しとエッジ出しの解説でした。

筆者は、作品の完成度を上げることはプラモデルのオモチャっぽさをなくすことだと考えています。

平面出し・エッジ出しをすることでプラスチック由来のオモチャ感が薄れ、作品にリアリティが出て完成度が上がります

パーツの面を一つ一つ処理するのでなかなか大変な作業ですが、作品の出来栄えが格段に良くなるので、ぜひ記事の内容を参考に、平面出し・エッジ出しをしてみてくださいね!

参考になれば嬉しいです!

それでは、ステキなガンプラライフを!

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プロフィール
筆塗りおじさん
筆塗りおじさん
会社員 | リビングモデラー
筆塗り大好き「筆塗りおじさん」です!

・北海道札幌市在住
・IT系企業に勤める会社員
・2020年から本格的にガンプラ製作を開始
・得意:筆塗り・スジボリ
・GANSTA(ガンスタ)のいいね数 3,834
・製作ペース:8体/年

筆塗りを楽しみながら、アクリジョンのすばらしさ、ガンプラ製作の楽しさを発信しています。
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