ガイドを使わない「フリーハンド・スジボリ」の極意を徹底解説!
みなさん、ガンプラにスジボリしてますか?
筆者は作品に個性を出せるスジボリが好きで、ガンプラには何かしらスジボリすることが多いです。
その反面、いちいちガイドテープを貼るのが面倒に感じていました。
何とかこの面倒な作業をなくせないだろうか。
そう考えた筆者は、ガイドテープを使わない「フリーハンド・スジボリ」にたどり着きました。
ガイドテープ無しでスジボリなどできるわけがない、そう思われるかもしれません。
かくいう私も、以前はスジボリが苦手で、初心者の頃ならにわかに信じることはできなかったでしょう。
ですが、コツさえつかめば、フリーハンドで真っすぐでキレイなスジボリができるのです。
この記事では、フリーハンド・スジボリのやり方、コツをご紹介しますので、騙されたつもりでご覧いただければと思います。
- タガネ
- ケガキ針
ガイドテープを使った「通常」のスジボリについて知りたい方は、こちらをどうぞ!
1.フリーハンド・スジボリとは
一般的にスジボリは、専用のガイドテープを使って行います。
ガイドテープを使ったスジボリは次の作業を繰り返します。
テープをハサミで切る
↓
貼る
↓
彫る
↓
剥がして貼る
スジボリする箇所が多いと「テープ貼りの苦行」になるわけです。
そんな面倒なルーティーンから解放される画期的な方法が「フリーハンド・スジボリ」です。
それではやり方を解説しましょう。
2.やり方
フリーハンド・スジボリのやり方には大事なポイントがあります。それは、
タガネの動きを一方向に固定する
です。どういうことか見てみましょう。
2-1.基本ポジション
▲タガネを持つ手(筆者は右手)の小指をパーツに押し当て、グラつかないよう固定します。
▲次に、タガネを持たない手(筆者は左手)の親指をタガネの下に添え、タガネの刃が下に滑らないようにします。反対の手の親指をストッパーにするのです。
これがフリーハンド・スジボリの基本ポジションです。
▲横から見るとこんな感じです。静止画で伝えるのは限界があるかもしれません。
言語化するとこんなイメージです。
- 右手小指でタガネを持つ手を固定
- 左手親指をストッパーにする
- 右手の親・人差し・中指でタガネを縦方向に動かす
では、実際にやってみましょう。
2-2.実際にやってみる
▲彫りたいデザインをシャーペンで下書きします。これは通常のスジボリと同じです。
▲彫りたい直線が縦向きになるようパーツの向きを調整し、フリーハンド・スジボリの基本ポジションを作ります。
▲ゆっくりやさしく、縦方向にタガネを動かします。少しずつで大丈夫です。彫る手に力を入れる必要はありません。下書きをやさしくなぞるだけです。
▲つづいて次の直線を彫っていきます。パーツを回転させて直線の向きを縦方向に合わせます。
▲1回目が彫り終わりました。うっすらミゾができるぐらいの力加減で大丈夫です。滑るので力を入れるのは絶対にダメです。
▲拡大図。このように表面にうっすらとキズが見える程度の彫り加減でOKです。(少しガタついてしまいました)
▲1度彫ったミゾを4回程度なぞって彫り終えました。3回目以降はミゾが深くなり、フリーハンドでも割とスムーズになぞれます。
▲彫り終えたモールドの両淵は毛羽立っているのでヤスリで整えます。
▲次のスジボリにとりかかります。同様にシャーペンで下書きします。(デザインはテキトーです)
▲タガネは必ず「縦方向」に動かします。失敗してもリカバリーできるよう、うっすら跡が付く程度の力でなぞります。
▲次のスジボリも彫り終えました。イメージは1回目で彫った浅いミゾをガイドに、同じ力で何度もなぞる感じです。
▲反対側も同様に彫り進めていきます。まずは下書きから。(フリーハンドなのでなんとなくの左右対称です)
▲くどいですが、ゆっくり・やさしく・縦方向を徹底し、少しずつミゾを彫っていきます。
▲水平方向のスジボリも加えてひとまず完成です。
フリーハンド・スジボリのポイント
このように、フリーハンドならガイドテープなしでサクサクスジボリすることができ、作業効率が格段に向上します。
では、ポイントのおさらいです。
- 基本ポジションで彫る向きを固定する
- タガネは縦方向にだけ動かす
- 力を入れずやさしくゆっくり掘る
最初からフリーハンドでうまくスジボリできる人はまずいません。
慣れるまでは失敗を繰り返すことになります。
失敗したスジボリをリカバリーする方法はこちらをご覧ください。
3.おまけ:メリハリをつける
おまけとして、メリハリの利いたスジボリのやり方をご紹介します。
ミゾの幅に変化をつけるのです。
ここまでのミゾは0.15mm幅でしたが、一部分だけ0.3mmにしてみます。
▲赤い部分の直線を0.3mmのタガネで彫り直します。
▲彫り直しに使う0.3mm幅のタガネ。スジボリカーバイトという商品です。
▲0.15mmのミゾをなぞっていきます。一度彫ったミゾですが、ずれないよう慎重に彫りましょう。
▲彫り直してみました。あれ、あまり見た目の変化がありませんね。
▲彫り直したミゾの両淵をケガキ針で整えてみます。ミゾの淵を針でなぞるイメージです。
▲ケガキ針でなぞったおかげで、若干ですが彫り直した部分が、太くクッキリしました。
▲ほかの直線も0.3mmタガネで彫り直し、デザインナイフで角を落としヤスリで整えれば…
▲完成です!スミ入れするともっとはっきりわかるようになります。
まとめ
伝説の技法でも何でもありませんが、ガイドを使わないスジボリのやり方をご紹介しました。
紹介しておいてなんですが、メリットは「ガイドテープを貼る手間がかからない」程度です。
ガイドテープを使う方がキレイに彫れますし、苦手ならあえてチャレンジする必要はないと思います。
(筆者も長い直線はガイドテープを使います。)
作品を早く仕上げたい、スピーディにスジボリしたい方は、やってみてください。
人気モデラー「セイラマスオ」さんもフリーハンドでスジボリされているそうです。
セイラマスオの気まぐれ模型製作記
最後までご覧いただきありがとうございました。
参考になればうれしいです。
それでは、ステキなスジボリライフを!!
▼BMCタガネを買えない筆者愛用のタガネとホルダー
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