【ガンプラスジボリ応用】ナイフで削り込み・太目モールド・既存モールド埋め
ガンプラにスジボリ、してますか?
スジボリに慣れてきたら、少し変わったスジボリにチャレンジしてみましょう!
表現の幅が広がって、作品にメリハリが出ますよ♪
今回紹介するのがこちら。
- デザインナイフで削り込み
- 太目のモールド
- 既存モールド埋め
今回は、ディテールが少なくあっさりしたHGジムさんに、スジボリしていきます。
HGジムは、ランナーが2枚のみで組みやすく、安価で入手性も高いのでスジボリの練習にはピッタリです。
工程を丁寧に解説しますので、スジボリのバリエーションを増やしたい方は、ぜひ最後まで読んでくださいね。
- デザインナイフ
- タガネ(0.6mm幅、0.2mm幅)
- ケガキ針
- 模型用瞬間接着剤
- 金属ヤスリ(平)
- スポンジヤスリ
それでは本編をどうぞ!
1.デザインナイフで削り込む
デザインナイフは使っていますか?
ナイフなので「切る道具」ですが、ガンプラ製作においては「削る道具」として使うことも多いです。
▲「削る」用途で使う際は、切れ味鋭い刃の正面でなく、背中側を使います。
刃の背中でカンナ掛けをするようにパーツを削り込み、段落ちさせ装甲の重なりを表現してみます。
1-1.スジボリする
ナイフで削り込むガイドにするため、まずは普通にスジボリしていきます。
▲段落ちさせたい部分にシャーペンで下書きをしていきます。このパーツは太もものパーツです。ヒザ関節のフチを段落ちさせてみましょう。フチから少し内側にスジボリしていきます。
▲0.15mm幅のタガネでシャーペンの下書きに沿ってスジボリしていきます。ちなみに筆者のスジボリはガイドテープを使わないフリーハンドです。テープを貼るのが面倒で貼らなくなってしまいました。
▲スジボリできました。あれ、なんだかガタガタですね。若干失敗しましたが、問題ありません。この後の削り込みでキレイにすることができるのです。あくまでガイド用のスジボリなので、精度はそこそこで大丈夫です。
1-2.ナイフの背でカンナ掛け
▲ナイフの背を使いカンナ掛けしていきます。切削面と水平に近くなるよう刃を傾けて、うっすら削れるように角度を付けます。
▲先に彫ったスジボリをガイドにし、少しずつナイフの刃を動かして削ります。力を入れすぎると刃が滑るので、軽くゆっくり削っていきましょう。
▲ある程度削り込めました。パーツ中央は合わせ目消しを下部分なので、少し削りにくかったですが、だいたい良いでしょう。
▲ナイフで削っただけだと段落ちさせた断面がぼんやりしているので、ケガキ針を使って整えます。切削面のフチを針でなぞり、輪郭をはっきりさせるのです。
▲写真ではわかりにくいですが、気持ち輪郭がはっきりしました。ですが段差の断面がガタガタで、これでは見栄えが良くありません。
▲ガタついている段差の断面にタガネの刃を沿わせます。力を入れるとえぐれてしまうので、断面をやさしく整えるイメージで刃を動かします。
▲断面を整えたらこんな感じに仕上がりました。ガタガタだった部分がキレイになり、装甲が重なっているような雰囲気が出たと思います。
▲両足を同じように削り込み、膝下のパーツを着けてみました。ディテールが少なくあっさりしたパーツでも、フチを段落ちさせることで違和感なく情報量を増やすことができます。慣れるとカンタンな工作なのでオススメです。
- 力を入れすぎない
- ゆっくりやる
- 失敗を恐れない
コツは何より力を入れないことです。
そのほかは、失敗を恐れない気持ちがあれば十分です。
正直、最初からうまくいくことはありません。
失敗してもいいのでチャレンジすることが重要で、数をこなして少しずつ上達させましょう。
▼デザインナイフは工作の必需品です。プラ板の切り出しやパーツの削り込みなど、何でもできる万能ツールです。
1-3.他のパーツに応用してみる
▲ここまで紹介したデザインナイフを使った削り込みを、他のパーツにも応用してみます。
次に、バックパックに彫ったスジボリの段落ち工作をしていきます。
平面に段差を作ると情報量が増え効果的です。
プラ板を貼り付けて段差を表現するのが一般的な気がしますが、筆者のようにプラ板工作が苦手な方は、削り込むという選択肢もあります。
▲先ほどの太ももと違い、削りたい部分がパーツのフチでなく、内側にあるので難易度が高いです。デザインナイフの刃をすれすれまで水平にして削っていきます。
▲うっすら削り込みました。刃の向きの関係で左側しか削れないため、片方ずつ削り込み徐々に段落ちを深くしていきます。
▲パーツを回転させ、こんどは反対側を削っていきます。ゆっくり少しずつ削りましょう。
▲両側をうっすら削りました。写真ではうっすら過ぎて段落ちしているのかわかりませんね。。。
▲ナイフの刃を立て、切削面の断面をなぞっていきます。こうすること、でうっすらしていた段落ちの輪郭をはっきりさせることができます。
▲輪郭をはっきりさせたら、あとはひたすら削るだけです。水平近くまで方向けた刃の背で少しずつ削り込みます。忍耐が必要な作業です。
▲先ほどより切削面が深くなりました。これでもだいたい良いのですが、最後の仕上げで完成に持っていきましょう。
▲ケガキ針を使います。段落ちの輪郭部分をなぞり、いわゆる逆エッジを強調するよう削っていきます。
▲切削作業はプラスチックの削りカスが出ます。使い古した歯ブラシなどで擦り、カスを取り除きましょう。
▲くっきりしたのでこれくらいで完成です。
実物だと目立ちませんが、大きな写真だと少しガタついていますね…(^^;
- ある程度キレイになったら終わりにする
切削面のガタツキや平面の出し加減が気になりだすと、何度も削って確認を繰り返すことになります。
削り過ぎると不自然になりますし、パーツが薄くなり最悪穴が空くこともあるので、完璧を求め過ぎず、ある程度に留めておきましょう。
※遠目から見ると、それほど気になりません。
2.太目のマイナスモールドを彫る
▲続いて写真のように、太ももに太目のモールドを刻んでいこうと思います。
マイナスモールドと呼ばれる短い直線のスジボリで、今回はパーツの面をまたいで彫ってみます。
予めシャーペンで下書きしておきましょう。
▲またまた登場、0.6mm幅のタガネ「スジ彫りカーバイト」を使っていきます。
▲下書きに沿って少しづつ刃を動かします。力はそれほど必要ありません。筆者はフリーハンドですが、慣れない方はガイドテープの使用をおススメします。
▲すべての面(A面・B面・C面)に均等幅のモールドをが彫れました。ですが切削面はガタガタしており、整える必要がありそうです。
▲続いて0.2mmのタガネを使って、ガタついたモールドをシャープにしていきます。
▲モールドのフチ・角を中心に、輪郭のはっきりさせます。かっちりした長方形のミゾになるようイメージしながら刃を動かします。
▲整え終えたら、削りカスを払い落としましょう。
▲輪郭をシャープにし、面にまたがるマイナスモールドを彫り終えました。
周辺に少しスジボリを追加し、脚・腰パーツを組み合わせてみるとこんな感じ。
細いスジボリだけの場合とくらべ、太めのスジボリで情報量が増え良いアクセントになっています。
- 太目のタガネで大雑把に彫る
- 細めのタガネでシャープ化する
- 力は入れすぎない
▼硬い刃でサクサク削れるタガネです。ピンバイスにセットして使います。
3.既存のモールドを埋める
みなさんは、キットに元からあるモールドの形が気に入らないことはありませんか?
ひねくれ者の筆者はキットをそのまま組むのが嫌で、ちょっとデザインを変えたくなってしまいます。
そんな時は、模型用の瞬間接着剤で既存のモールドを埋めてしまいましょう。
3-1.模型用の接着剤を塗る
▲模型用の瞬間接着剤を用意します。色や粘度にバリエーションがあるので好きなものを選びましょう。筆者はWaveの高強度のものを使っています。
▲極細のノズルが付属していますが、今回は必要ありません。埋めたいモールドにノズルの先端を近づけ、接着剤を塗っていきます。
▲深い溝を埋めるには、それなりの量を塗る必要があります。また、すぐに硬化はしませんが手を接着しないよう気を付けましょう。
▲10分くらい置けば硬化しますが、筆者は1時間ほど置きます。塗装用の持ち手棒・塗装ベースで乾かすと、周りにくっつかなくて効率的です。
3-2.硬化した接着剤を削る
▲接着剤が硬化しました。パーツ表面に固まった接着剤が付着し、盛り上がっています。
▲手っ取り早く金属の平ヤスリで削っていきます。筆者はタミヤのクラフトヤスリPro(平)10mmを使っています。少しサビていますが全然現役です。
▲接着剤が盛り上がった部分にヤスリを押し当て、矢印の方向に押して削ります。(金属ヤスリは押して使う道具です)
▲筆者が使った高強度の接着剤は硬く、金属ヤスリで削ってもなかなか平らになりません。力を入れすぎるとえぐれるリスクがあるので、根気強く削ります。
▲盛り上がった接着剤がキレイに無くなりました。表面が少し荒れています。
▲#400程度のスポンジヤスリを使い、表面を整えます。(筆者は塗装するので少し粗目のものでも構わず使っています)
▲ご覧のように表面がキレイになり、元からあった太いモールドが無くなりました。ただ、跡は残るので、これをやる人は塗装した方が良いでしょう。
3-3.上から新しいモールドを彫る
モールドが埋まったら、シャーペンで彫り直したいデザインの下書きをします。
下書きに沿ってスジボリし直せば、ご覧の通り!
自分で考えたモールドに生まれ変わりました。
▼スジボリに必要な道具やコツは次の記事にまとめています。基本からおさえたい方はこちらをどうぞ。
まとめ
以上、スジボリを応用し、作品にメリハリを出すやり方の解説でした!
筆者のようにプラ板工作が苦手な場合、デザインナイフを使った削り込みは表現の幅を広げる有効な手法になります。
上手にやるには慣れが必要ですが、必要な道具が少なく短時間で作業できるので、オススメです。
- 力を入れすぎない
- 少しずつ作業する
- ケガキ針・タガネで輪郭をシャープにする
- 失敗を恐れずチャレンジする
今でも上手くいかない場合もありますが、初心者の頃から比べると、思い通りのスジボリができるようになってきました。
スジボリの上達には数をこなすしかありませんが、習得してしまうととても楽しい工作です。
ぜひ、記事の内容を参考にオリジナルのスジボリで作品をカッコよく仕上げてみてください!
最後までご覧いただきありがとうございます。
それでは、ステキなスジボリライフを!
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