【下書きが大事】ガンプラのスジボリデザインを考える-スジボリで個性的な作品に
みなさん、ガンプラにスジボリしてますか?
筆者は、作品に個性を出すために、よくスジボリをしています。
ですが、どんなスジを彫るかデザインに悩むことが多いです。
スジボリしたいけどデザインが思いつかないという方は多いのではないでしょうか。
今回は、そんな悩ましいスジボリのデザインを考察し、カッコいいスジボリデザインの考え方を紹介します。
- デザインの方向性を決める
- キットの情報量を踏まえる
- リアリティ重視 or デザイン重視
- シッカリ下書きする
- シャーペンで下書き
- 納得いくまでやり直す
- デザインのコツ
- 余白を残す
- 垂直・斜めを組み合わせる
- 交点は90℃以上に
- 面のつながりを意識する
これが筆者が考えるデザイン検討のポイントです。
どういうことか見ていきましょう。
スジボリデザインの参考になれば嬉しいです!
それでは、本編をどうぞ!
1.スジボリの方向性を決める
具体的なデザインを考える前に、スジボリの方向性を決めておきましょう。
全身にスジボリすると時間がかかるため1日では終わらないことが多いです。
そのため、デザインの方向性を決めておかないと、途中でデザインがバラついて統一感が無くなってしまうのです。
1-1.キットの情報量を踏まえる
スジボリするキットに元からあるディテールを踏まえて、方向性を考えてみましょう。
ディテールのあっさりした(情報量が少ない)キット、こってりした(情報量が多い)キット、ガンプラにはいろいろあります。
- あっさりしたキット
- 最低限のスジボリ
- 情報量マシマシのスジボリ
- こってりしたキット
- 付けたす程度のスジボリ
- もっとこってりさせるスジボリ
正解があるわけではないので、ここでは方向性を決めておくことが重要です。
機体のイメージで決めるのもアリだと思います。
筆者は、あっさりキットはあっさり、こってりキットはこってり仕上げるのが好みです。(人それぞれ)
1-2.リアリティ重視 or デザイン重視
スジボリとは、装甲表面のパネルライン(つなぎ目)を追加・強調する工作です。
実在する兵器さながらのリアルなパネルラインを彫るか、機能的な意味はないがデザイン優先でパネルラインを彫るか、方向性を決めておくと良いでしょう。
代表的な例でいうと、在りし日のお台場実物大ガンダムと、横浜ガンダムです。
■お台場ガンダム
兵器製造上の装甲のつなぎ目やメンテナンス用ハッチなど、実在兵器の様はパネルラインが特徴です。
■横浜ガンダム
一方、デザイン性を重視したガンダムで、幾何学的な印象のパネルラインが特徴です。
このように、パネルラインを機能的・デザイン上のもののどちらととらえるかで、スジボリのデザインが大きく変わります。
キットにもともとあるパネルラインや、劇中のイメージなどから方向性を決めると良いでしょう。
2.下書きでスジボリの良し悪しがきまる
スジボリは下書きの時点で出来ばえの8割が決まります(筆者持論)。
下書きでデザインがばっちり決まれば後は彫るだけですし、キレイに彫れてもデザインがいまいちならカッコよく仕上がりません。
繰り返しになりますが、スジボリは下書きが非常に重要です。
今回は、あっさりディテールのHGジムさんを使って、スジボリのデザインを考えていきましょう。
2-1.シャーペンで下書き
スジボリの下書きは何度もやり直せるシャープペンシルで行います。
▲これから下書きしていくのは、あっさりしたHGジムさんの肩アーマーです。
角の2つにマイナスモールドが施されています。
他にディテールはありません。
▼シャーペンで彫りたいスジボリを下書きしていきます。
使っているシャーペンは家に転がっていた0.5mm芯の普通のシャーペンです。
表面を#400~#800のヤスリで荒らしておくと、下書きしやすいです。(荒らさないと表面がつるつるしてほとんど書けません)
▲こんな感じで下書きします。まだ下書き段階なのでフリーハンドで大丈夫です。
バランスを考えながら少しずつ線を書き足していきます。
▲下書きが気に入らなければ、消してやり直します。シャーペンなので、番手の細かいヤスリで削るか、メラミンスポンジや濡らした歯ブラシでも簡単に消すことができます。
▲こんなデザインはどうでしょう。うーん…縦横の直線の組み合わせがどうも洗練されておらず、イマイチなのでやり直します。
▲直線と斜め線を組み合わせたデザインにしてみました。もともとあるマイナスモールドをよけるように線を書いてみました。ひと先ずこれでスジボリしてみます。
線が二重になったりボヤけていたりすると、スジボリする線があいまいになるので気を付けましょう。
スジボリしてみる
▲スジボリしてみました。
※ヤスリをかけたので粉塵が入り込んでミゾが白くなっています。
肩パーツはもう一つあるので、同じようにスジボリしていきましょう。
▲反対側の肩パーツもスジボリしていきます。複雑なデザインだと、同じデザインで彫るのが大変なんです…(ToT)
▲辺の長さを測ったり、テンプレートを作ったりした方が、キレイに同じ形状のスジボリを彫れるのですが、面倒な場合は、パーツを左右に並べて比べながら下書きをすると良いでしょう。
▲左右のパーツのスジボリが終わりました。よーく見ると左右で違いがありますが、趣味で作るガンプラならこんな感じで十分だと思ってマス。
2-2.納得いくまで下書きをやり直す
スジボリは下書きも含め、気に入らなければやり直すことができます。
拘る方は、納得いくデザインができるまでやり直すと良いでしょう。
1)下書き
■二の腕
▲腕パーツのスジボリデザインを考えます。
角張ったフォルムに似合う、カッコイイデザインを考えたいものです。
▲色々やり直した結果、最初のデザインにしました。
HGジムさんはあっさりディテールなので、機体イメージに合わせてシンプルなデザインが良いと判断。
ただスジボリしても面白くないので、デザインナイフで削り込んで段落ちさせてみました、
■前腕
▼何度も下書きし、デザインを考えます。
▼下書きに納得がいったので彫ってみます。
■ボディ
▲彫ってみたらこんな感じ。
このように納得いくデザインになるまで、下書きをやり直します。
繰り返しますが、スジボリの出来栄えは下書きで8割が決まります。
2)スジボリをやり直す
前述の通り、何度も下書きをやり直し納得したデザインでスジボリしますが、彫ってみると「アレ?なんか違うぞ?」となることは良くあります。
そんな時は、模型用の瞬間接着剤でスジボリを埋めてやり直しましょう。
▲ 模型用の瞬間接着剤です。
粘度の高いモノや色が黒いものなどバリエーションがあります。
筆者はWaveの瞬着をよく使っています。
粘度が高いものの方が扱いやすいです。埋めたくない部分に接着剤が流れ込みにくいからです。
▲納得して彫ったスジボリですが、時間を置いたりパーツを組み立てたりすると、イマイチかなと思うことがあります。気に入らない部分に瞬間接着剤を塗り、スジボリを埋めてしまいましょう。
▲接着剤は1時間程度置けば乾いて硬化します。硬化した後は金属ヤスリを使い、盛り上がった接着剤を削り落とすとスジボリを無かったことにできます。ただ、埋めたスジボリの跡は残るので、塗装が必要になります。
■頭部スジボリのやり直し
つづいて頭部のスジボリを瞬間接着剤でリカバリーします。
こちらも下書きで納得したはずが、気が変わってしまったのです(ToT)
▲頭部は目立つパーツなので、失敗したくありません。納得いくまで下書きをやり直してから、スジボリを行います。
▲スジボリしてみました。下書きと少し違いますが、彫る直前に見直しました。優柔不断ですねw
▲上部のスジボリがどうも前面に出過ぎている気がして、やり直すことにしました。接着剤のノズルが太すぎる場合は、付属の極細ノズルを装着すると良いでしょう。
▲接着剤を塗布しました。乾くまで1時間程度待ちましょう。埋めたくなかったトサカ根元のスジボリにも接着剤が流れています。この場合は彫り直しが必要になります。
▲接着剤の硬化後、盛り上がった部分をデザインナイフの背で削り、スポンジヤスリで整えます。パネルラインを後ろ側に彫り直してやり直し完成です。やはり、埋めた個所は跡が残ります。
3.スジボリデザインのコツ
3-1.パーツに余白を残す
▲スジボリはパーツ全体にまんべんなく彫るより、彫る部分と彫らない部分にメリハリをつけ、ある程度余白を残した方が見栄えが良いです。
左の下書きは、デザインの酷さもありますがメリハリがなく窮屈でくどい印象を受けませんか?
スジボリ初心者の頃に陥りがちな失敗で、とにかくスジボリしたい!という欲求を抑えることがポイントです。
3-2.垂直・斜めの線を組み合わせる
▲垂直な直線の組み合わせだけでなく、斜めの線を組み合わせると表情が付いて見栄えがします。
左の写真の前腕はいわゆる「クランク」と呼ばれる形状で、比較的よく見かけるスジボリデザインです。
垂直線と斜め線のどちらかを太いスジボリにすることで、パネルラインにメリハリがつき、カッコいいスジボリにすることができます。
3-3.線の交点は90℃以上にする
スジとスジの交点は角度が90℃以上になるようにしましょう。
これを意識するかしないかでスジボリの見栄えに大きな差が出ます。
左側の写真は交点のひとつが90℃を下回り、パネルラインがとがって見えます。
実際のパネルラインでこのように尖ったものはないでしょう。
▲すべての交点の角度が90℃以上をキープしており、自然な感じのパネルラインです。
カッコイイスジボリのデザインは必ずこの法則に従っているので、デザインを考える際はぜひ意識してみてください。
3-4.面のつながりを意識する
最後に、意外と難しいのですが、面のつながりを意識しましょうというお話です。
ガンプラは立体物なので、ひとつの面にだけスジボリし隣接する面にスジボリされていなかったり、線がつながらずズレてしまったりすると、途端にカッコ悪くなってしまいます。
スジボリの下書きをする際に面のつながりを意識し、線の角度を揃える、ズレないよう意識することが大切です。
まとめ
以上、スジボリのデザイン考える上でのポイントを解説しました。
ここまで紹介したスジボリデザインは筆者が考えたものだけなので、洗練されたデザインを身に着けるには、より多くの作例を見ることが肝要です。
筆者がスジボリ初心者の頃によく参考にしていたサイトは次の2つです。
どちらも非常にメジャーなサイトで、ご存じの方も多いかもしれません。
手軽に素晴らしい作例が検索できるので、ぜひデザイン考察の参考にしてみてください!
また、繰り返しになりますが、今回一番伝えたかったことは
納得いくまで下書きをしよう!
ということです。
下書きがカッコよくかければ、後は彫るだけなのでスジボリの8割は終わったようなものです。
上達の一番の近道は数をこなすことです。
ぜひ、記事の内容を参考にかっこいいスジボリで作品を仕上げてみてください!
それでは、ステキなスジボリライフを!
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古いキットでポーズもあまり決まりませんが、パーツが少なく練習にはもってこいです!
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