【アクリジョンでジムを塗る】マスキングなしの塗り分け全塗装!
筆塗りの良さのひとつに小回りのききやすさがあります。
エアブラシで塗装する場合は塗りたくない個所のマスキングは必須が、筆をうまく使えば、マスキングなしでも細かい塗り分けが可能です。
筆者は面倒なマスキング作業が大嫌いで、筆塗りの手軽さがとても気に入っています。
エアブラシをメインに塗装している方でも、塗り分けには筆を使う方も多いようです。
▲暗めの赤一色のパーツを・・・
▲このように明るめの赤で塗り分けてみます。
(色の違い、判りますか・・・?)
そこで今回は、細めの筆を使って、スジボリしたパネルラインに合わせた塗り分けをしてみます。
塗り分ける色のトーンをちょっとだけ変えて、RGのキット風味に塗ってみる試みです。
コツをつかめばマスキングなしで塗り分けられるので、興味のある方はぜひ最後までご覧ください。
それでは、本編をどうぞ!
1.塗り分けに使う筆
今回塗り分けに使う筆はコチラ。
・6mm幅の筆
・1mm幅の細筆
です。
6mm幅の筆は、筆先が平らになっており、パネルラインで塗り分ける際に使いやすい形状です。
1mmの筆はいわゆる面相筆と呼ばれるものです。
高価な筆を揃える必要はありません。
筆先がしっとりとまとまっており、先端が平らであればキレイに塗り分けられます。
▼筆者が使っている筆はこちらの安価で大きさのバリエーションが揃ったセットです。
面相筆はどこで買ったか忘れましたが、300円位の安いモノです。
筆先が痛んでバサバサしていると、キレイな塗り分けはできません。
塗り終わった筆は、きちんとお手入れすれば安価な筆でもしっとりした状態を長く保つことができます。
▼筆のお手入れにはクレオスさんのフデピカリキッドを使いましょう。塗料の洗浄とリンスが同時にできます。
▼フデピカリキッドをブラシウォッシャーに注いで、ガシガシ擦りつけて洗います。
2.筆で塗り分けていく
2-1.色による隠ぺい力の違いを理解する
塗り分けるのは暗い赤一色で塗られたこれらのパーツです。
マホガニーで下地塗装をした上に、つや消しレッドを塗り重ねたものです。
アクリジョンの赤系統は隠ぺい力が低いため、下地のマホガニーが透けて暗めの赤になっています。
塗り分ける箇所を思い通りの色で塗るには、色による隠ぺい力の違いを理解しておかなくてはなりません。
暗い色は隠ぺい力が強い(下地が透けない)傾向があり、明るい色(特に黄色や赤)は隠ぺい力が弱い(下地が透ける)色になっています。
2-2.塗り分けしていく
塗り分けに使っていく塗料がこちらの赤系塗料です。
すでにベースレッド一色で塗られたパーツを、これらの塗料で色分けしていきます。
アクリジョンの赤系塗料は種類が豊富で、調色しなくても微妙な色の違いを表現できます。
★アクリジョンのカラー一覧はコチラ
ただ、前述の通り赤系統の色は隠ぺい力が低いので、発色は下地の色に影響を受ける点を念頭に置きましょう。
▲まず塗るのはシャインレッドです。塗装済みのつや消しレッドより少し明るい赤です。
▲筆先を平ら(直線)にしてパネルラインの淵から塗っていきます。
▲キレイな塗り分けはフチの塗り方がポイントです。フチをきれいに塗ってしまえば、塗り分けはできたようなもんです。
▲肩装甲のパーツもシャインレッドで塗り分けていきます。同じように筆先を平らにして直線のパネルラインを塗り分けていきます。
▲塗り分けた結果がこちら。塗り分けた個所がびみょーーーに明るい色なのがわかるでしょうか。RGのような絶妙な色分けを目指しました。
▲胸の横の細い部分をオレンジに、装甲の一部をあずき色で塗り分けました。ツヤが出ていてわかりにくいですが、つや消しトップコートを吹くと落ち着きます。
- 筆先は平ら(直線)にする
- フチから塗り始める
- 塗膜が厚くなりすぎないよう気を付ける
この例では、すでにつや消しレッドを塗った上から色分けしたので、塗膜が厚くなりがちでした。
このやり方の場合は、2回程度の塗り重ねでとどめておくと良いでしょう。
Amazonでアクリジョンの赤系塗料を見る
2-3.関節の塗り分け
▲つづいて関節部を塗り分けます。使うのは筆者おなじみの焼鉄色です。ひと塗りでプラスチックが金属に変わる魔法の塗料です(笑
▲焼鉄色で塗ったヒザ関節です。あたかも金属のような輝きです。古いHGキットのシンプルなヒザ関節も、焼鉄色で塗ればそれなりに見栄えがします。
▲スリッパパーツのくるぶし部分も焼鉄色で塗り分けます。筆先を平らにし、はみ出さないよう慎重に塗りましょう。
▲足首の部分も焼鉄色をぬりぬり。チラ見えする部分を金属色で塗っておくと、質感が上がって効果バツグンです。
▲足首の仕上がりです。どうでしょう、暗く光る金属の輝きが、プラモデル感をなくしてくれていると思いませんか?
▲最後に各部の”マルイチモールド”を1mm幅の細筆で整えます。息を止めて少しずつチョンチョンと筆を動かします。はみ出しても、すぐに指やデザインナイフで塗料を拭き取ればリカバリーできます。
▼関節色に迷ったときは焼鉄色。隠ぺい力も高くひと塗りで金属の輝きが再現されます。
3.仕上がりの確認
▲塗り分けが終わったHGジムさんです。
RGキットを意識して、4色の赤系塗料で塗り分けてみました。正直、光沢塗料のツヤがすごくて、反射で色味がわかりにくいですね・・・。
つや消しトップコートを吹けばかなり落ち着きます。
▲焼鉄色で塗り分けた関節です。
鈍く輝く金属色がアクセントになり、作品を引き締めてくれます。
▲つや消しトップコートを吹いた後がこちら。(デカール・スミ入れもしています)
ツヤが落ち着いた分、色の違いが分かるようになりました。水性塗料の透け具合が絶妙で、いい味が出ています。
まとめ
以上、細目の筆を使って、マスキングなしで塗り分けする方法の紹介でした。
筆塗りは細かい塗り分けが簡単にできる手軽さが魅力のひとつですよね!
時間がない現代人や面倒くさがりな方にピッタリではないでしょうか。
今回はそこまで細かい塗り分け箇所がなかったのでマスキングをしませんでしたが、直線でない塗り分けや細かい箇所は、マスキングテープを貼ったほうがキレイに仕上がります。
はみ出しが心配な方は、マスキングして塗りましょう!
筆による塗り分けで最も大切なことは、筆先が整っていることです。
バサバサに荒れた筆先ではキレイに塗ることはできません。
使った後の筆は、きちんとお手入れしておきましょう。
ぜひ、記事の内容を参考に、筆塗りで塗り分けしてみてくださいね!
それでは、ステキな筆塗りライフを!
▼筆塗りのコツが知りたい方は、こちらの記事をどうぞ!
コメントを残す