ガンプラ全塗装作例の製作工程をイッキ見!~ 完成までの手順 ~
完成度の高いガンプラの作例を見て、こんなふうに作りたい!と思ったことはありませんか?
ホビー雑誌や投稿サイトで見る手の込んだ作例は、カッコよくてずっと見ていたくなりますよね。
そんな作例はどんな工程で作られているのでしょう?
今回は、初心者の方向けにガンプラ製作の工程をざっと紹介します!
人により工程の前後はありますが、おおまかに次のような工程を踏んでいるはずです。
ニッパーでパーツを切り出し組み立てる
ゲート跡処理や合わせ目消し、面出しなどを行う
スジボリやプラ板工作、プロポーション変更などを行う
皮脂や削りカスが付いたパーツを洗う
筆塗りで全塗装する
モールドにスミ入れしてメリハリをつける
デカールを貼ってディテールアップする
汚し塗装を施し表情をつける
トップコートを吹いて表面を保護する
結構、工程が多いですよね。
そうなんです。手の込んだ作品を作ろうとすると多くの工程を経るため、とても時間がかかります。
※趣味モデラーの私はすきま時間でちまちま作るので、1体で2~3か月かかることもあります。
必ずしもすべてを行う必要はありませんが、各工程を順を追って紹介していきます。
それでは、本編をどうぞ!
1.仮組み
仮組みとは読んで字のごとく、ガンプラを「仮に組むこと」を指します。
プラモデルは組み立てて完成ではないかと思うかもしれませんが、工作や塗装をする場合は組み立てがスタートになります。
仮組みをする理由は次の通りです。
- 改修ポイントの確認
- 塗装の注意点を確認
- 組んで楽しむ!
組んでみると、ここに合わせ目が出るのか・・・、プロポーションを変えた方が良さそうだな…など、改修したいポイントが見えてきます。また、塗装をする際にパーツが干渉する場所や塗り漏らしそうな場所を確認することもできます。
上記の理由から、一度キットを組んで全体を確認しておきます。
▼仮組みにの詳細は、こちらにまとめています。
2.基本工作
仮組みが済んだら、一度パーツをばらして「基本工作」といわれる作業に入ります。
基本工作とは、ガンプラ製作において完成度を高めるための基本的な工作を指します。
具体的には次のような作業です。
- ゲート跡処理
- 合わせ目消し
- パーティングライン消し
- 平面出し
写真のようなゲート跡や合わせ目、歪んだ表面を残したまま組み立てると、おもちゃ感が消えずカッコイイ作品ができません。
面倒ですが、ひとつずつ処理することが大切です。
※少なくとも、ゲート跡と合わせ目は可能な限り処理したいところです。
- ゲート跡 … ナイフやニッパーで切り落とし、ヤスリで整えます。
- 合わせ目 … 接着剤で圧着して消すか、段落ちモールドにして目立たなくします。
- 平面出し … ヤスリで表面を削って平面にします。
地味で面倒な作業ですが、やっておくと完成品の出来栄えが格段に良くなるので、余裕があればやるようにしましょう。
▼ゲート跡処理の詳細はこちらをご覧ください。
▼合わせ目消しのやり方はコチラをどうぞ。
▼平面出しの記事も良ければどうぞ!
3.工作
つづいてスジボリやプラ板工作、プロポーション変更などの工作を行います。
キットをストレートに組んでも良いのですが、ディテールアップなどの工作を施すと作品にオリジナリティーが出てあなただけのステキなガンプラになります。
ただ、工作には必要な道具が多く慣れも必要なので、無理して行う必要はありません。
- タガネ
- ケガキ針
- ヤスリ(スポンジ or 紙)
チャレンジしていたい方は、次の記事を参考にしてみてください。
▼スジボリ道具とやり方の解説はコチラ
▼プロポーション変更の一例です。
4.洗浄・乾燥
工作が済んだら塗装の準備に入ります。
塗装がキレイに仕上がるように、工作で汚れたパーツを洗っていきましょう。
なぜ洗うの?と思うかしれません。
実は、手で触ったパーツは皮脂が付着し汚れているのと、ヤスリがけやスジボリで出た削りカスがミゾなどに詰まっているのです。
皮脂が付いていると塗料のノリが悪くなりますし、削りカスが詰まっているとダマの原因になります。
超音波洗浄機などのツールを使った方がキレイになりますが、ボールに水を張り、食器洗剤と歯ブラシで擦るだけでもだいたいキレイになります。
洗浄した後はパーツに水滴がたくさん付いています。
水分は塗装の大敵なので、キッチンペーパーなどで拭き取り、風通しのいい場所でよく乾かしましょう。
▼ガンプラの洗浄に付いてまとめた記事です。
5.筆塗り全塗装
いよいよ筆塗り全塗装の出番です。
筆塗りは慣れないと上手く塗れません。コツは次の通りです。
- 筆先を整える
- 塗料は希釈せずそのまま使う
- 薄く塗り重ねる
- 乾いてから塗り重ねる
よくある失敗が、ひと塗りで発色させようと厚塗りしてしまうというものです。
厚塗りするとスジボリしたミゾが埋まったり、パーツのエッジ(角)が潰れて野暮ったい仕上がりになります。
少量の塗料で薄く何度も塗り重ねることで発色するので、厚塗りはご法度と肝に銘じましょう。
※塗料によっては発色が良いものもあります。
また、全塗装の場合は必要な色数も多くなるので、覚悟を持って塗装に挑みましょう。(少し大げさですが)
▼筆塗りのコツはコチラをご覧ください。
▼冒頭に紹介したHGジムの塗装記事です。
6.スミ入れ
塗装が終わったら、つづいてスミ入れの工程です。
スミ入れとは、ガンプラにあるミゾに塗料を流し込み強調する作業です。
※スミ入れしない方もいますし、後で出てくるウェザリング時に行う場合もあります。
スミ入れは流してはみ出た塗料を拭き取るため、デカールを貼る前に行うのが通例です。
スミ入れ前はぼんやりしていた陰影が、パーツより濃い色の塗料を流し込むことによりクッキリします。
エナメル塗料を使ってスミ入れするのが一般的ですが、エナメル溶剤はプラスチックを脆くし割ってしまう恐れがあるので、スミ入れ前にトップコートでの保護が必要です。
- エナメル塗料によるスミ入れ
- リアルタッチマーカーによるスミ入れ
- 薄めた塗料による墨入れ
- ウォッシングによるスミ入れ
スミ入れのやり方は数多くありますので、自分に合ったやり方を探してみてください。
▼エナメル塗料を使ったスミ入れ方法はコチラ
▼リアルタッチマーカーを使ったお手軽スミ入れ
▼写真のジムさんは薄めたアクリジョンでスミ入れしました
7.デカール貼り
デカールを貼ってガンプラをドレスアップしていきます。
近年の主流は、水でノリを溶かして貼る「水転写式(みずてんしゃしき)デカール」です。
ちなみに、ウェザリングする場合は先にデカールを貼ります。
※ウェザリング後にデカールを貼ると、デカールだけキレイで浮いてしまいます。
ナイフなどで切り出したデカールを台紙ごと水につけ、台紙とデカール本体の間にある「ノリの層」が溶け出すまで待ちます。(商品によってまちまちですが、20~60秒程度待ちます)
- デカールを台紙ごと切り出す
- 水につけてデカールが浮き出すのを待つ
- 貼りたい位置に専用のノリを塗布する
- デカールを貼り付け位置に乗せる
- 綿棒を転がして水分を取る
貼り過ぎるとうるさくなるのでバランスを考えて貼るのが大切です。
デカールが貼り終わったら、トップコートを吹いて表面を保護しましょう。
貼ったままのデカールは剥がれてなくなることがあります。
▼水転写式デカールの効果的な貼り方はコチラ
▼デカールは段差ができるので消すと見栄えが良くなります
8.ウェザリング
仕上げにウェザリングを施して作品に表情付けをします。
ウェザリングとは、模型の塗装技法の1つで、風化や経年劣化・擦過・被弾による汚れや錆、塗装剥げなどを再現するものです。「汚し塗装」などと呼ばれています。
実際に使い込んだ雰囲気が出るためリアル思考の方は好んで使うテクニックで、非常に奥が深いものでもあります。
ウェザリングの技法としてメジャーなものは以下のものがあります。
- ウォッシング
薄めた塗料で洗うように塗る - スポンジチッピング
スポンジに塗料を付けてスタンプする - リアルタッチマーカー
マーカータイプの塗料でサッと汚す - ウェザリングマスター
ウェザリング専用のマテリアルで汚す - ダメージ加工
プラスチックにキズを付けてダメージを表現する
▼ウェザリングの基礎編はこちら
▼写真のEGガンダムを汚した記事です
9.トップコートで仕上げ
さあ、いよいよ最後の仕上げの工程です。
トップコートを吹いてガンプラの表面を保護したり、つやを消して質感を出したりします。
▼スミ入れの章と同じ写真ですが、つや消しトップコートを吹いたのがこちら。
テカテカしていたパーツ表面のツヤが抑えられ、落ち着いた雰囲気になっています。
プラスチックっぽさが無くなっていますよね。
手軽に吹ける缶スプレーのトップコート。
光沢・半光沢・つや消しといった仕上がりや、ラッカー系・水性といった性質にバリエーションがあります。
今回はラッカー系のつや消しスプレーを吹きました。
パーツがテカテカ光る程度に吹き付け、乾燥するまで1時間程度待ちましょう。
臭いがキツイので、十分に換気をしてくださいね。
乾いた後、組み立ててればいよいよ完成です!!
(くれぐれも乾く前に触らぬように・・・指紋がついて作品が台無しになります)
お疲れ様でした!
まとめ
以上、全塗装したガンプラ作例の製作工程紹介でした。
正直、面倒な工程もたくさんあり、すべての工程をこなすのは楽ではありません。
ですが、作品が完成した暁には何ともいえない達成感がやってきます!
パチ組しただけのガンプラとは一味も二味も違う出来ばえになるはずです。
私は手間と時間をかけてガンプラを楽しむ派なので、スジボリや全塗装を好んでやっています。
興味があれば、ぜひ手を加えてガンプラを作ってみてくださいね。
最後までご覧いただきありがとうございました!
それでは、ステキなガンプラライフを!
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