【無塗装でカッコよく】ガンプラをリアルタッチマーカーと色鉛筆でウェザリング仕上げ!
近年のガンプラは成形色での色分けが素晴らしく、無塗装でもそれなりに仕上がります。
ですが、パチ組みのガンプラはプラスチック特有のツヤがあり、オモチャっぽさがありますよね。
そんな時は、リアルタッチマーカーと色鉛筆でお手軽汚し塗装をしてみましょう!
こんな方にオススメの技法です。
- オモチャっぽさをなくして仕上げたい
- 塗装なしでカッコよく作りたい
- 時間がないからサクッと汚したい
- 最低限の道具で簡単に仕上げたい
今回作成するのはHGオリジン版ガンダム。ディテールが細かく汚し映えしそうなキットです。
HG 1/144 RX-78-02 ガンダム
(GUNDAM THE ORIGIN版)
2,530円 2020年03月 (公式サイト)
このオリジン版ガンダムを、リアルタッチマーカーと色鉛筆だけでカッコよく仕上げていきましょう。
完成イメージはこちらです。
※アンテナの左は折れてます。
全体がマーカーの灰色でうっすら汚れ、若干ですが青い色がパーツに乗っています。
1.基本工作
パチ組したオリジンガンダムがこちら。
全身に細かいモールドが施され、パチ組みでも非常に情報量が多いです。
ディテールはRGに匹敵しそうな印象です。
このままウェザリングをしても良いのですが、カッコよく仕上げるためにひと手間かけましょう。
基本工作と呼ばれる作業です。
※そんな手間かけてられないから、さっさと汚したい!という方はこちらにジャンプしてください。
2.ウェザリングの準備
1-1.平面出し
パーツ表面にヤスリをかけ平面を出す作業です。
プラモデルのパーツは、平らに見えても緩やかな凹凸があり、完全な平面ではありません。
これは、パーツ成形時において、金型に流し込まれた高温の樹脂が冷え固まり、収縮することで起こります。
平面を出すことで、凹凸による光の反射を均一化することができます。
▲ガンダムの肩アーマーです。平らに見えますが実は平面ではないのです。
▲金属ヤスリ(タミヤ クラフトヤスリPRO)でパーツ表面を削っていきます。パーツに対して水平にヤスリを当て、軽く押して削ります。
▲少し削った表面です。削れた部分とそうでない部分がわかるでしょうか。削れていない部分は凹んでいる箇所です。
▲パーツの全面を削り、凹んでいた部分も削れました。このように全面が削れればOKです。
▲前腕の装甲パーツです。ヤスリをかけると中央が削れていおらず、凹んでいます。
▲肩パーツと同様に全面が削れるまでヤスリをかけます。
▲腰の左右にあるサイドアーマー。エッジが反り上がっているのがわかるでしょうか。
▲ヤスリで削ればこの通り。平らになり見ばえが良くなりました。
このように、ヤスリで削り平面を出すことで完成時の見ばえが良くなります。
地味で面倒な作業ですが、完成度に拘る人はやっておきましょう。
- ヤスリは面に対し水平に当てる
- ヤスリは押して削る
- ヤスリはやさしく動かす
- 目詰まりはメラミンスポンジでとる
金属のヤスリは削り味が良いので、削り過ぎに注意しましょう。
▼筆者はタミヤのクラフトヤスリPro(10mm幅)を使っています。
削り味が心地よく、一度使うと手放せません。
1-2.モールドの彫り直し
つづいて、モールドを掘り直します。
キットに元からあるモールドは造形があまく浅い場合が多いので、キレイにスミ入れするために彫り直します。
掘り直しにはケガキ針やタガネを使います。
※筆者はケガキ針派
※以降、iPhoneカメラの自動色補正で、写真の色味が安定しません。ご了承ください。
▲頭部背面の浅いミゾをケガキ針でなぞります。はみ出さないようミゾに沿ってゆっくり動かします。
▲右側が彫り直したモールドです。彫り直す前に比べ、陰影がくっきりしました。
▲続いて0.3mmのタガネで”マイナスモールド”を彫り直します。
▲このような短い直線のモールドは「-」のように見えるためマイナスモールドと呼ばれています。
▲タガネをモールドに沿わせ、何度か軽く彫り込みます。
▲彫り終わりました。彫り直したモールドはプラスチックが毛羽立っています。
▲毛羽立ってしまった箇所は、スポンジヤスリなどでキレイに整えましょう。整えればこのように毛羽立ちが無くなります。
▲頭部はモールドや凹凸の多い形状です。頬にあるダクトは造形がダルいので彫り直しておきましょう。
▲タガネを使いダクトの口を彫り込みます。角がくっきりするように意識しながら彫ります。
▲ダクトをの掘り直しが終わりました。スミ入れしていないのでわかりにくいですが、彫り直し前と比べクッキリしました。
▲太目のマイナスモールドは、ケガキ針で周辺をなぞるように彫り直します。
▲凹凸の多いシールド裏も彫り直します。面倒ですが出来上がりを想像してモチベーションを保ちます。
▲彫り直すとパーツがプラスチックのカスまみれになります。使い終わった歯ブラシなどで取り除きましょう。
▲モールドが多く彫り直し甲斐がある脚部。ケガキ針でひとつひとつ丁寧に彫り直します。
▲彫り直しました。白いパーツは彫り直し前との違いが分かりにくいですね。スミ入れが楽しみです。
▼ケガキ針は彫り直しの必需品!1本は持っておきたいところです。
持ち手部分がゴム素材で使いやすいケガキ針です。筆者はこれを使っています。
2.ウェザリングの準備
ウェザリングの前に、パーツの裏側やジョイントを黒く塗り、目立たなくします。
リアルタッチマーカーの「リアルタッチグレー3」を使います。
個人的に、これはグレーではなく黒です。
本当に黒いので「グレー」の文字に騙されないようにしましょう。
▲このように接続部のジョイントが見えると、どうしてもオモチャっぽさを感じてしまいます。
▲そんな時は黒に近いグレーのリアルタッチグレー3でジョイント部分を塗りつぶします。
▲暗い色で塗ってしまえば、ご覧通り目立たなくなります。めでたくオモチャっぽさがなくなりました。
▲装甲裏も塗っておくと、陰影がくっきりし裏側感が強調され、作品の関税度が上がります。
▲塗り終わりはこんな感じ。はみ出た部分はデザインナイフの背などでカンナ掛けすればキレイになります。
▲ダクトの中な塗っておくと立体感が強調されます。
マーカーで塗り終わったら、キットに付属のマーキングシールを貼り、「半光沢」のトップコートを吹いておきます。
マーキングシールの保護と程よい汚れの定着を目的に、半光沢をチョイスしました。
※マーキングシールの貼り付けは割愛します。細かいものが多くなかなか大変でした。
▲スプレーはパーツから20cm程度離して吹き付けます。近すぎると吹き過ぎてしまうからです。
▲スプレーを横か縦に動かし、吹き始めを外すように吹きます。これも吹き過ぎを防ぐためです。
- 臭いがきついので、屋外かよく換気した屋内で作業しましょう。
- 表面がテラテラ光る程度に吹けばOKです。
- 吹いた後は1時間程度乾かしましょう。
▼装甲裏の塗装の他、スミ入れにも使える万能なグレー3。1本持っておくと便利です!
3.ウェザリング
3-1.リアルタッチマーカーを塗る
リアルタッチマーカー
水性ベースのマーカーです。
手軽に汚しやぼかし塗装ができる定番のマテリアルで、水性なのでプラスチックを割る心配がありません。
よく使う色のセットも販売されています。
GSIクレオス「ガンダムマーカーリアルタッチマーカー」
いよいよウェザリングです。
今回は無塗装仕上げなのでリアルタッチマーカーを使っていきます。
ウェザリングと同時にスミ入れも行います。
▲リアルタッチマーカーの「グレー2」を塗りたくっていきます。
▲マーカーをパーツ全体に満遍なく塗ります。少し茶色がかったグレーに見えます。色は薄めです。
▲ミゾにも塗料が行き渡るように塗りましょう。写真はミゾ一部のが白いままだったで塗り直しました。
▲腕パーツも塗りたくります。こんなに色がついて大丈夫?と思うかもしれません。拭き取れば薄くなるので大丈夫です。
▲大きなシールドも頑張って塗ります。細かい形状のものより塗りやすいです。
▲一生懸命彫り直した裏側も丁寧に塗りましょう。面倒ですが我慢です。
▲塗り終わった脚部です。膝を曲げると装甲裏が少し白くて気になります。
▲パーツをバラし、内側にあたる部分をリアルタッチグレー3で塗ってあげます。
▲組み立て直すとこの通り。装甲裏が黒くなり重厚感が出ました。
▲武装も含め、すべてのパーツにリアルタッチマーカーを塗り終えました。乾くまで1時間程度置いておきましょう。
▲マーカーが乾いたら、メラミンスポンジで塗料を拭き取ります。スポンジは100円ショップなどで買える家庭用のものでOKです。
▲スポンジを押し当て、シコシコと表面を擦ります。※スポンジから粉塵が出るのでマスクをつけると良いでしょう。
▲このように拭き取った個所がキレイになりました。厳密には拭き取ったわけではなく、メラミンスポンジで表面をわずかに削っています。
▲メラミンスポンジで全体を擦り、余分な塗料を拭き取ります。あまり丁寧にやり過ぎず、少し汚れを残すのがポイントです。
▲拭き取ってみると、マーキングシールの淵にマーカーの塗料が溜まっています。トップコートの保護が足りなかったようです。(がっくり)
▲シールの外側からデザインナイフの背でフチの塗料を削り落とします。苦肉の策です。
▲フチの塗料が取れました。が、マーカーの汚れも削れてしまい、周辺がキレイになり過ぎています。後工程の色鉛筆でごまかします。
3-2.塗装ハゲを描き込む
つぎはウェザリングの定番、塗装ハゲの表現です。
エッジ付近を中心に、ぶつかって塗装がハゲた状態を表現していきます。
▲塗装ハゲは、何度も登場しているリアルタッチグレー3で描き込みます。
▲パーツの角(エッジ)を中心にマーカーの「細」でちょんちょん描き込みます。
▲できるだけ自然な塗装ハゲになるよう、適度に大きさをばらつかせます。
▲脚部の塗装ハゲ表現が終わりました。やり過ぎるとくどくなるので、経験的に少し物足りないかな?くらいで止めておくのが良いと思います。
▲すべてのパーツに塗装ハゲを描き込みます。実戦での運用で擦れそうな個所を中心に描き込むとリアリティが出ます。
3-3.雨ダレを描き込む
重力下で雨が降り、ミゾにまたった土などが流れてできた「雨ダレ」を描き込んでいきます。
▲雨ダレはリアルタッチブラウン1を使います。一般的な茶色です。
▲「細」のペン先でチョンと点を描き込みます。
▲描いたらすぐに指で拭き取ります。汚れが流れる方向を意識して拭き取るのがコツです。
▲脚部にいくつか雨ダレを描き込みました。やり過ぎると嘘くさくなるので、よく見ればわかる程度にするのが良いでしょう。
▼ブラウンが入ったセットはこちら。
先ほど登場したグレー2、オイル汚れに使えるオレンジも入ったお得なセットです。
3-4.色鉛筆でお化粧
今回は無塗装仕上げなので、着色は色鉛筆の出番です。
色鉛筆は塗料と違い混色できないので、色数が多いモノを用意すると、微妙な色使いができて便利です。
※筆者はAmazonで72色入りを2000円程度で購入。
色数が多いのにお手頃価格です。手始めに購入するにはピッタリです!
▲濃いめのグレーを使ってエッジにを強調していきます。
▲エッジを暗い色でなぞると、角ばった印象を強調することができます。
▲アンクルアーマーの角もグレーを描き込みます。装甲のゴツゴツ感が出たような気がします。
▲赤いスリッパパーツのフチをあずき色で縁取りしました。パーツ色より濃い色で陰影を強調します。指で擦ると馴染みます。
▲白いパーツは水色系の色鉛筆を使い、陰影を強調してみます。
▲エッジ、モールド周辺を中心に、濃淡をつけながら色を置いていきます。
▲色を乗せたら水性トップコートで保護します。色鉛筆は、溶剤系のトップコートだと溶けて色が薄くなるので、水性のものを使います。
▼筆者が記事内で使用した色鉛筆。低価格ですが色数が多く、使用した感じも安っぽくなく、色鉛筆塗装の入門編にピッタリです。
4.オリジン版ガンダムの完成
まとめ
以上、塗料を使わずマーカーと色鉛筆で雰囲気を出す解説でした。
マーカーや色鉛筆などの身近なマテリアルでも、上手に使えば見ばえがします。
パチ組みから一歩踏み出してみてくださいね!
最後までご覧いただきありがとうございました。
すてきなガンプラライフを!
※少し手を加え、作例ページをUPました。
▼色数豊富でリーズナブル!
微妙な色の変化をグラデーションで表現するなら色数が多い方が便利です。172色もあれば表現の幅が大分広がります。リーズナブルですが使用感は安っぽくなく、良く発色します。
HG 1/144 RX-78-02 ガンダム
(GUNDAM THE ORIGIN版)
2,530円 2020年03月 (公式サイト)
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