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塗料

【色付きのサフ】アクリジョンベースカラーの使い方・メリットを徹底解説!

アクリジョンベースカラー
筆塗りおじさん

アクリジョンの専用下地塗料「アクリジョンベースカラー」をご存じですか?

知らない方や、知っていてもどう使うのかわからない方が多いのではないでしょうか。

  • そもそも下地用塗料って何?
  • メリットは?必要性を感じない
  • 塗るとどんな感じになるの?
  • 使い方がわからない…

アクリジョンベースカラーは塗装のための下地を作る塗料で、筆で塗る色付きのサーフェイサーといえばイメージしやすいかもしれません
※希釈すれば、筆塗りだけでなくエアブラシでも使えるそうです。

アクリジョンの筆塗りにはベースカラーの使い方が重要なポイントになります。

この記事では、ベースカラーの性能を紹介し、アクリジョンで筆塗りを楽しむコツを解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

1.アクリジョンベースカラーの特徴

アクリジョンベースカラー

アクリジョンベースカラーは隠ぺい力が非常に高く、下地として塗ることで通常色の発色を格段に向上させてくれる塗料です。
※隠ぺい力 … 素地の色を覆い隠す能力

主な特徴として次のことがあげられます。

アクリジョンベースカラーの特徴
  • 隠ぺい力が非常に高い
  • ベースカラー同士で混色できる
  • 通常色とも混色できる
  • 若干のキズ埋め効果があり、サーフェイサーの代わりになる

価格は税込み330円で、カラーラインナップは6色です。※2024年5月30日現在
アクリジョンベースカラー(公式)

  • 白色系統:ベースホワイト
  • 灰色系統ベースグレー
  • 赤色系統ベースレッド
  • 黄色系統ベースイエロー
  • 青色系統ベースブルー
  • 緑色系統ベースグリーン

そしてベースカラーの使い方は次の通りです。

  • 下地として塗る
  • 通常色に混ぜる

詳しくは、記事の後半で解説します。

2.ベースカラーを使うメリット

ベースカラーのメリットは隠ぺい力が弱い色を発色させることです。

一般的に、赤・黄・白などの明るい色は隠ぺい力が弱く、暗色の素地に塗装しても本来の色味になりません。
アクリジョンの赤や黄色をそのままガンプラに塗っても、イメージした色にはならないのです。

そんな問題を解決してくれるのがアクリジョンベースカラーです。

通常色と同系の色を下地として塗ったり、混ぜたりすることで発色が改善し、思い通りに筆塗りを楽しむことが可能になります。

筆おじ
筆おじ

ベースカラーと友達になるのがアクリジョンで筆塗りを楽しむコツです。

3.ベースカラーの色味

では、ベースカラーの色味を見てみましょう。
グレーのプラスチックスプーンを使ってテストしてみます。

グレースプーン

◀ テストに使うスプーンがこちらです。
塗料が発色しずらい暗い色です。

このスプーンにベースカラーを「2回」筆塗りしていきます。

3-1.白色系

ベースホワイト

ベースホワイト」を2回塗った結果です。

白色は隠ぺい力が低めなので、スプーンの色が少し透けています。

通常色を重ねることを考えれば、この発色で十分と言えます。

気になる場合はもう一度塗ればよいでしょう。

3-2.灰色系

ベースグレイ

ベースグレー」を2回塗った結果です。

「ニュートラルグレー」より1段暗い色味です。

隠ぺい力が高く、2回塗ればスプーンの色を覆い隠すことができました。

色の濃いサフのような仕上がりです。

3-3.赤色系

ベースレッド

ベースレッド」の2回筆塗り。

「あずき色」に似たくすんだ色味です。

キレイに発色しており、スプーンのグレーは全く見えません。

3-4.黄色系

ベースイエロー

ベースイエロー」を2回塗りました。

黄色は隠ぺい力が低い色ですが、スプーンのグレーは概ね隠ぺいされています。

下地としては十分な発色でしょう。

3-5.青色系

ベースブルー

次に「ベースブルー」です。

非常に良く発色しています。

下地塗料と思えないキレイな仕上がりです。通常色としても使えるほどの色味です。

3-6.緑色系

ベースグリーン

最後に「ベースグリーン」です。

暗めの緑色で、隠ぺい力は強めです。スプーンのグレーは全く見えなくなっています。

ベースブルーと同様キレイな仕上がりです。

3-7.ベースカラー同士の混色

次にベースカラー同士を混ぜてみましょう。

ベースグリーンベースイエローを1:1で混ぜ、グレーのスプーンに筆塗りします。

ベースグリーン
ベースカラー混色

ベースグリーン単体を塗った場合より、黄緑に近い色味になりました。

このように、ベースカラー同士を混ぜることで好きな色の下地を作ることができます。
塗りたい色に合わせて調色すると良いでしょう。

3-8.通常色とベースカラーの混色

最後に、通常色との混色を見てみましょう。
はじめは「通常色のみ」を塗った場合の発色です。

アクリジョン_イエロー

灰色スプーンに「イエロー(黄)」を2回塗りましたが、ほとんど発色していません。

素地の色がかなり透けた状態です。

つづいてイエロー(黄)とベースイエローを1:1で混ぜて塗ってみます。

基本色と混色

通常色だけと比べて明らかに発色が良くなっています

1:1だと色味はベースイエローに寄りますが、混ぜる割合を調整して発色の良いイエローを作ることもできます。

筆おじ
筆おじ

アクリジョンの黄色はベースイエローを混ぜて使うのが基本です。

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4.ベースカラーでガンプラを塗装

今度はガンプラに塗って、その効果を見てみましょう。

使用するキットは「HG 1/144 ザクIデニム/スレンダー機」です。
合わせ目消しや表面処理など基本工作が終わったものを使います。

塗装前のザクI

4-1.塗装手順

▲ 塗装の前にパーツをばらします。
奥まった個所も塗りやすくなるので、ばらすのをおススメします。

ばらしたパーツは塗装棒※1で挟み、塗装ベース※2に差し込んでおきます。

※1 … クリップが付いた棒。昔は自作したとききます。
※2 … ハニカム構造で塗装棒を固定できます。

次に塗料を準備します。

ベースイエロー

▲ ビンからベースカラーを取り出します。粘度が高く底に顔料が沈殿しているので、攪拌棒でよくかき混ぜます。(筆者の感覚で、数十回~100回程度攪拌)

▲混ざったら攪拌棒を使ってベースカラーをパレットに取り出します。(筆者はウェットパレットを使用)

▲ 筆は1cmはばの平筆を使います。筆全体で広い部分を、筆の端で狭い部分を塗るというように、筆1本で使い分けられるのが便利です。

▲あらかじめ軽く湿らせた筆に、塗料を少量含ませます。薄く塗っていくので塗料を含ませ過ぎないように注意です。

▲ ベースカラーはドロッとしているので、厚塗りにならないよう気を付けて塗ります。パーツに置いた塗料を全体に伸ばすイメージで筆を動かすと、薄く塗れます。

▲ 1回塗り終わったのがこちら。筆跡ができても気にする必要はありません。塗り重ねることで目立たなくなっていきます。

▲ 3回目の筆塗りを終えた頭部パーツ。成形色のグリーンが見えなくなり筆跡も消えています。

▲ 他のパーツも同じ要領でどんどん塗っていきます。

▲ グレーに塗った部分にイエローがはみ出でてしまいました。こういう場合は、はみ出たイエローの上にグレーを塗ってリタッチします。

▲ 関節部分にブルーがはみ出てしまいました。

▲ 無塗装パーツにはみ出た塗料は、デザインナイフの刃の背でこそぎ取ります。力を入れすぎるとパーツに傷がつくので、やさしく丁寧に擦りましょう。

▲ はいこの通り、はみ出た塗料をキレイに落とすことができました。

4-2.仕上がりの確認

HG 1/144ザクⅠ
ベースカラー塗装後

ベースカラーの強力な隠ぺい力で成形色が隠れ、印象がガラッと変わりました。(カッコイイとは言っていません)

表面はつや消しで、まさに「色付きのサフ」といった質感です。

使用カラー
  • 黄色部分 … ベースイエロー(3回塗装)
  • 青部分 … ベースブルー(1回塗装)
  • 白部分 … ベースホワイト(3回塗装)

4-3.ベースカラーに通常色を重ねる

HG 1/144ザクⅠ
通常色の塗装後

ザクⅠ_塗装後_正面

ベースカラーを塗った上から通常色を重ねてみました。

同系色の下地のおかげで、通常色がよく発色しています。
それでも、通常色のオレンジは発色が悪いためベースイエローを混ぜて塗っています。(後述)

カラーレシピ
  • 黄色部分
     ベースイエロー(60%)
     + オレンジ(橙)(20%)
     + オレンジイエロー(黄橙色)(20%)
  • 青色部分
     インディブルー(60%)
     + つや消しホワイト(20%)
     + エメラルドグリーン(20%)
  • ダクト・ノズル
     シルバー(銀)(100%)
  • 関節
     焼鉄色(100%)
  • ハンドパーツ
     ニュートラルグレー(100%)

黄色系はベースカラーを混ぜるべし

隠ぺい力の弱さから、オレンジの塗装は失敗してしまいました。

ベースイエローの上にオレンジイエローを塗ったところ、ムラになってしまったのです。

ベースイエローを塗った表面には細かい色ムラが残っていました。

その状態で隠ぺい力の弱いオレンジイエローを塗ると、下地の色ムラが隠れず透けてしまったという訳です。

筆塗りのやり直し

失敗したオレンジイエローの筆塗りをやり直すため、以下の手順でリカバリーします。

  • 塗膜を剥がす
    オレンジイエローの塗膜に400番のスポンジヤスリをかけ塗膜を剥がす
    ※ベースイエローまで削らないよう、やさしく慎重に。
  • 再び筆塗り
    ベースイエローと通常色のオレンジ・オレンジイエローを混ぜて再度筆塗り

ベースイエローのおかげでオレンジが発色し、何とかリカバリーできました。
※ベースカラーはくすんだ色味なので、思い通りの色を作るには慣れが必要です。

まとめ

以上、アクリジョンベースカラーの性能を解説しました。

ベースカラーは隠ぺい力が弱い色の発色を改善する便利な塗料です。
筆者がアクリジョンを使う理由はベースカラーがあるからといっても過言ではありません。

ベースカラーを使うと次のような失敗を防ぐことができます。

  • イメージ通りの色に仕上がらない
  • 筆ムラ・色ムラが目立つ
  • 塗り重ねの回数が増え、エッジやモールドを潰してしまう

ぜひ、ベースカラーを使いこなして思い通りの筆塗りを楽しんでくださいね!

最後までお読みいただきありがとうございました。

それでは、ステキな筆塗りライフを!

▼黄色系の塗装にはベースイエローがマストバイ!

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▼ベースグレーは一瓶あると色々使えて便利です。

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使用キット

HG 1/144 ザクI(デニム/スレンダー機)
1,870円 2016年05月発売(公式サイト

ここで塗ったザクⅠにデカールを貼ってみました。良ければ次の記事をご覧ください。

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プロフィール
筆塗りおじさん
筆塗りおじさん
会社員 | リビングモデラー
筆塗り大好き「筆塗りおじさん」です!

・北海道札幌市在住
・IT系企業に勤める会社員
・2020年から本格的にガンプラ製作を開始
・得意:筆塗り・スジボリ
・GANSTA(ガンスタ)のいいね数 3,834
・製作ペース:8体/年

筆塗りを楽しみながら、アクリジョンのすばらしさ、ガンプラ製作の楽しさを発信しています。
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