【これならできる】アクリジョンでガンプラを筆塗りするコツ ‐ 塗り分け・調色・リタッチ
【基礎編】筆塗りのコツにつづき、アクリジョンで筆塗りするコツを紹介していきます。
応用編の今回は、パーツの塗り分け・アクリジョンの調色・リタッチについて解説します。
基礎編で解説した通り、単色パーツの塗装はそれほど難しくありませんが、複数色のパーツは塗り分けが発生するの少し難易度が上がります。
- はみ出してきれいに塗れない
- 調色ってどうやるの?
- 失敗のリカバリー方法を知りたい
こんな悩みをお持ちの方は、上手に仕上げるコツを紹介しますので是非ご覧ください。
次のように複数色を塗り分けます。
それでは本編をご覧下さい。
1.パーツの塗り分け
パーツはパネルラインが彫られています。
パネルごとに色を塗り分けてみましょう。
1-1.隠ぺい力が高い色から塗る
素地の色を覆い隠す能力のこと。高い色ほど、下地が透けず塗料本来の色味が出る。
アクリジョンは色によって隠ぺい力が大きく異なります。
具体的には次のような具合です。
色による隠ぺい力は次の傾向があります。
- 黒や青、緑などの暗い色
→ 隠ぺい力が高い - 白や赤、黄色などの鮮やかな色
→ 隠ぺい力が低い
塗り分ける際は隠ぺい力が高い色から塗ります。
先に隠ぺい力の高い色を塗っておくと、はみ出しの修正がラクになるのです。
※詳細は塗りながら説明します。
以上を踏まえ、暗めの色から筆塗りしていきます。
1-2.暗めの色を塗る
▲くすみを帯びた青系塗料「ミディアムブルー」から塗っていきます。青系の色は隠ぺい力が高めです。
▲塗料を筆にとり、パーツに塗っていきます。はみ出しは後で修正するので気にしなくて大丈夫です。
▲ミディアムブルーを塗りました。1度塗りだと成形色が透けるので、もう1回塗りましょう。
▲2回塗るとキレイに発色しました。これで良しとします。
1-3.はみ出しを処理する
▲先ほど塗ったミディアムブルーがはみ出してしまいました。(はみ出したくない方は、マスキングテープを使いましょう)
▲そんな時はデザインナイフの背を使ってはみ出た塗料をやさしく削り取ります。塗装していない部分にはみ出した塗料は削ってしまいましょう。
▲ご覧の通りはみ出していた箇所がキレイになりました。やさしく削ればパーツにキズが付くことはありません。表面をヤスリで整えるとなお良いでしょう。
2.アクリジョンを調色する
アクリジョンは90の色数がありますが、ほしい色がないこともあります。
その場合は塗料を混ぜて色を作りましょう。
※アクリジョンの色一覧はこちら
塗料を混ぜて色を作ることを調色といいます。
▲コクピット色(中島系)とマホガニーを調色し、茶色がかった砂色を作ります。
両者を3:1の割合で混ぜていきます。
2-1.調色する
▲パレットにコクピット色を取り出します。調色スティックですくって3回取り出します。
▲同様にマホガニーも取り出します。調色の割合は3:1なので、マホガニーは1回だけ取り出します。
▲塗料を取り出したら、調色スティックを使ってパレットの上で混ぜ合わせます。
▲色味が均一になるまでよく混ぜます。よく混ぜておかないと、塗料を筆に取るたびに色味が変わり、色ムラの原因になります。
▲色が足りなくなった場合に作り直せるよう、混ぜた割合を覚えておきましょう。覚えておく自信がなければメモしておきます。
▲調色した色を塗ってみました。イメージした通りの色に塗ることができました。(ピンぼけすみません。)
▲塗り終わりました。調色時にしっかり混ぜたので、色ムラになることなくキレイに塗れています。少しはみ出していますが、後で修正します。
3.塗り分ける
先ほどと違う色を塗っていきます。
はみ出したくない個所をマスキングテープで覆うのが一般的ですが、筆者はテープを貼るのが面倒なので、マスキングなしで塗ります。
はみ出したら修正すればよいのです。
そのために隠ぺい力の高い色から塗っています。
▲筆先を整えてパネルラインを塗り分けていきます。マスキングなしの塗り分けは筆先が整っていることが何より大切です。毛羽立ったり割れたりしているとはみ出してしまいます。
▲すでに塗り終わった部分にはみ出さないよう、慎重に塗り進めます。修正はできるので、そこまで神経質になる必要はありませんが。
▲パーツを回転させ、正面にあたる部分も塗っていきます。
▲1回塗り終わりました。まだパーツの色が透けているので、2度目を塗る必要がありそうです。
▲1度目と同じ要領で2度目を塗り重ねます。塗料の色とパーツの色が似ているので2回でキレイに塗れました。塗料の発色は、隠ぺい力と下地の色で左右されます。
▲ベースグレーを塗り忘れに気が付きました。このタイミングで暗い色の塗り忘れはキビシイですが、はみ出さないように細筆で息を止めて塗り切ってしまいます。
4.リタッチする
塗装後のはみ出しや塗り忘れの修正を「リタッチ」と言います。
塗装は集中力と根気のいる作業です。
キレイに塗ったつもりでも、はみ出しや塗り忘れがあるものです。
リタッチすることで塗装の完成度が高まります。
▲きれいに塗ったつもりでも、このようにはみ出しが多くみられます。
▲青の部分に茶系の色がはみ出しています。青系の塗料ではみ出した茶色を塗りつぶし、リタッチします。
▲塗ってみると青が前より薄い色になってしまいました。塗料の混ぜ具合や塗料の割合で色味が変わってしまうことがあります。今回は、諦めて薄い色で全体を塗り直すことにしました。
▲はみ出し部分のリタッチが終わりましいた。はみ出した色の隠ぺい力が低ければ、1度塗りでリタッチできます。隠ぺい力の高い色から塗っていた理由はこれです。隠ぺい力が高い色がはみ出ると、リタッチが大変です。
パーツ全体を目視し、他にリタッチ個所がないか確認しておきましょう。
4.仕上がりの確認
※バーニアノズルはシルバーに塗りました。
光沢の塗料で塗ったので、表面のテカりと筆跡が目につきます。
トップコートを吹けば、ある程度落ち着きます。
まとめ
以上、アクリジョンで上手に筆塗りするコツの解説でした。
難しいものはなかったのではないでしょうか。
では、ここで要点をまとめておきましょう。
- 隠ぺい力の高い色から塗るべし
→ はみ出しのリタッチを容易にする - 調色の際はよく混ぜ合わせるべし
→ 色むらになるのを防ぐ - 筆先を整えて塗り分けすべし
→ マスキングしない場合は筆先が大事 - リタッチで丁寧に仕上げるべし
→ 全体を点検し、もれなく修正する
記事の内容を参考に、ぜひアクリジョンの調色・塗り分けにチャレンジいただければ嬉しいです!
最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、ステキな筆塗りライフを!
筆者が使っている筆。10本セットで1,000円以下です。
本記事で筆塗りしたパーツをウェザリングしてみました。
良ければ次の記事もご覧ください。
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