【初心者向け】アクリジョンは他の塗料と重ね塗りできるの?ラッカー・エナメル・水性塗料
臭いが少なく水だけで扱える水性塗料「アクリジョン」と、他の塗料は重ね塗りできるのでしょうか。
ラッカー、エナメル、水性と塗料は種類によって特徴が異なります。
エナメル塗料でのスミ入れなど、時にはアクリジョンと併用することもあるでしょう。
結論、アクリジョンはどの塗料の上にも重ね塗りできます。
また、アクリジョンにどの塗料を重ねても問題ありません。
それはアクリジョンの低溶剤性と塗膜の強さによるものです。
詳細は記事本編で解説します。
本記事では、塗料の特徴を踏まえた重ね塗り可否を解説しますので、最後までご覧ください。
1.塗料の種類
量販店では多種多様な塗料が売られており、初心者の方は何が何だかわからないのではないでしょうか。
重ね塗り可否を解説する前に、代表的な塗料の種類とその特徴を見てみましょう。
▲某量販店の塗料売り場。色とりどりの塗料が大量に陳列されています。
以下に、代表的な塗料とその特徴をまとめました。
1-1.ラッカー塗料
溶剤系アクリル樹脂塗料であるラッカー塗料は、模型塗装の王道塗料です。
多種多様な模型用塗料が発売されており、多くのユーザから支持されています。また、人気があるゆえに色数が多く、調色をせずとも細かい色の差を表現できます。
特徴として次の点が挙げられます。
- 良い点
- 発色が良く塗膜が丈夫で乾燥も早い
- 留意したい点
- 有機溶剤の含有量が多く臭いが強い
要するに”臭いけど高性能な塗料”といったところです。
なお、エアブラシ、筆塗りどちらでも塗装可能です。
※参考:ホビージャパンウェブ 「絶対に知っておきたい“模型塗料の王様”ラッカー塗料の基礎知識」
1-2.エナメル塗料
石油系の有機溶剤をベースに作られた塗料で、スミ入れなど仕上げに使われることが多いです。
ラッカー塗料の塗膜は溶剤の揮発によって作られるのに対し、エナメル塗料は顔料の樹脂が空気と反応することで塗膜が作られます。
特徴として次の点が挙げられます。
- 良い点
- 伸びが良く操作性が高い
(スミ入れに適している)
- 伸びが良く操作性が高い
- 留意したい点
- 塗膜が弱く乾燥が遅い。また臭いも強い
- プラスチックを溶かす場合がある
本塗装に用いるラッカー塗料や水性塗料と違い、エナメル塗料はスミ入れや塗装ハゲ(銀ハゲ)の描き込みなどの仕上げに適している塗料です。
1-3.水性塗料
正式には水溶性アクリル樹脂塗料といい、水に溶ける塗料です。
乾燥後は耐水性となり、水に溶けない塗膜になります。
臭いが少なく安全であるとされ、もっとも初心者向けな塗料でもあります。
特徴として次の点が挙げられます。
- 良い点
- 臭いが少ない
- 留意したい点
- 発色、塗膜が弱いものがある
※商品、色による
- 発色、塗膜が弱いものがある
基本的に、希釈をせずそのまま塗れる濃度に調整されており、薄める場合は水、または各塗料専用の薄め液を用います。
塗装ブース設置などの臭い対策が難しい場合は、パートナーや家族に配慮して臭いの少ない塗料を選びたいところです。
2.重ね塗りの可否
さて、各塗料の特徴を解説したところで、本題の塗り重ね可否を解説します。
ラッカー塗料とエナメル塗料、水性塗料は「アクリジョン」と「水性ホビーカラー」を対象とします。
まずはまとめからです。
※参考:GSIクレオス「各塗料の違いと特徴について」
上記の表は、いずれのも下地の塗料をよく乾燥させた場合です。
乾ききっていない下地に重ね塗りすることはできません。
2-1.下地がラッカー塗料
下地がラッカー塗料の場合は、どの種類の塗料でも重ね塗りできます。
ラッカー塗料は塗膜が非常に強いためです。
2-2.下地がエナメル塗料
下地がエナメル塗料の場合は、アクリジョン以外は重ね塗りに向きません。
エナメル塗料同士も重ねることはできますが、乾くまで1~2日置く必要があるため△としています。
エナメル塗料は仕上げ用なので最後に塗るということですね。
2-3.下地が水性ホビーカラー
下地が水性ホビーカラーの場合、ラッカー以外は重ね塗りできます。
ラッカー塗料も重ね塗りできますが、量が多いと水性ホビーカラーを溶かしてしまうのでオススメしません。水性ホビーカラーとラッカー塗料を併用するメリットはないので、同時に使わなければ問題なしです。
2-4.下地がアクリジョン
下地がアクリジョンの場合は、どの塗料でも重ね塗り可能です。
アクリジョンの塗膜は乾くと耐水性になり、非常に強力です。
また、溶剤をほとんど使用していないため、どの塗料が下地でも重ね塗りすることができます。
まさに万能塗料です。
まとめ
以上、塗料の種類と特徴、塗料ごとの重ね塗り可否を解説しました。
上に重ねる塗料を起点にまとめてみます。
- ラッカー塗料
→ ラッカー、アクリジョンの下地に塗装OK - エナメル塗料
→ 全塗料の下地に塗装OK - 水性ホビーカラー
→ エナメル以外の下地に塗装OK - アクリジョン
→ 全塗料の下地に塗装OK
基本的に、ラッカー塗料と水性塗料の併用は必要ありませんが、もし併用する場合は次の順序で塗装すると良いでしょう。
ラッカー塗料 → 水性塗料 → エナメル塗料
エナメル塗料は仕上げ用なので下地にしない方が良いです。
塗料の特徴を理解し、塗装を楽しんでいただければと思います。
それでは、ステキな筆塗りライフを!
※アクリジョンについて詳しく知りたい方は次の記事をご覧ください。
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