ガンプラを汚そう!EGガンダムにウェザリング-ウォッシング/チッピング/ハイライト
前記事(【デカール編】EGガンダムを作る!)でドレスアップしたEGガンダムに、ウェザリングを施し表情をつけて仕上げてみます。
EGガンダムを作る!シリーズも本記事「ウェザリング編」で最後です。
【シリーズ記事】EGガンダムを作る!
模型の塗装技法の1つ。
風化や経年劣化、擦過、被弾による汚れや錆、塗装剥げなどを再現する。
引用:コトバンク
- 基本的なウェザリングの技法
- ウォッシングのやり方
- 塗装ハゲ表現のやり方
- 雨だれ表現のやり方
ガンダムは地球でも戦っていたな、と劇中を想像しながら汚し塗装を施します。
ウェザリングを施したガンダムがこちらです。
EGガンダム
完成イメージ
▼ウェザリング前
地上運用で付着した汚れをイメージし、茶色っぽく仕上げました。
ついやり過ぎてしまう汚し塗装ですが、くどくならないよう加減するのが肝要です。
それでは本編をご覧ください。
【ウォッシング】
- Mr.ウェザリングカラー
- Mr.ウェザリングカラー薄め液
- 塗料皿
- 筆
- キムワイプ
- 綿棒
【雨だれ・砂汚れ】
- リアルタッチマーカー ブラウン1
- ウェザリングマスター Aセット
【塗装ハゲ・ハイライト・その他】
- アクリジョン(焼鉄色など)
- 塗料皿
- メラミンスポンジ
- 色鉛筆(白)
- 缶スプレーのトップコート
1.ウェザリングを施す
ウェザリングは汚し塗装といわれる塗装技法で、とても奥が深く、様々な塗装方法・マテリアルが存在します。
今回は、なかでも定番のウォッシングと塗装ハゲ、お手軽ハイライトのやり方を紹介します。
※ハイライトは汚しではありませんが。
1-1.ウォッシング
ウォッシングとは、シャバシャバに薄めた塗料で洗うように塗ることで、ウェザリングでは定番の技法です。
ウォッシングの前に、塗料の食いつき向上とパーツ保護を目的に、半光沢のトップコートを吹いておきましょう。※トップコートを「半光沢」ではなく「つや消し」にすると、さらに定着しやすくなります。
▲「Mr.ウェザリングカラー」というウェザリング専用の塗料を使います。油彩系の塗料なので、直接塗布するとパーツが脆くなり割れることがあるので注意です。
▲どんな筆でもよいのですが、筆塗りで使っているものと別のものが良いでしょう。筆者は毛が柔らかいものが塗りやすく好みです。
▲ウェザリングカラーは顔料が沈殿しているので、底から筆で良くかき混ぜます。
▲混ぜた塗料を塗料皿に取り出します。1/144サイズのEGガンダムだと、3,4回取り出せば足りました。
▲ウェザリングカラーを専用の薄め液でシャバシャバに薄めていきます。
▲一度にどばっと出ないよう、筆に伝わせるようにして注ぎます。
▲これくらいシャバシャバになればOKです。だいたい3倍程度に薄めています。
▲薄めた塗料をパーツ全体に塗りたくります。ミゾや凹凸、角なども塗り忘れがないように満遍なく。
▲塗り終えたら、塗料が乾かないうちにキムワイプ(丈夫なティッシュ)などで拭き取ります。大雑把でよいので手早く拭き取ります。
▲拭き取り完了!完全に拭き取らず写真のような汚れ具合でOKです。続いて別のパーツを塗ります。
▲同じ要領で他のパーツもウォッシングしていきます。こちらは腕パーツです。
▲ウェザリングカラーが乾ききらないうちに、ざっと拭き取ります。
▲次の工程でもう1段階拭き取るので、キムワイプではざっくり拭き取ればOKです。
▲塗料を塗ったばかりの足パーツ。これくらい塗料がのっていればOKです。
▲塗料を拭き取った後の足パーツ。汚れはこの程度残っていて大丈夫です。
▲つづいて、綿棒もう一段階拭き取っていきます。綿棒を専用の薄め液に浸します。
▲綿棒を動かして、パーツに残ったウェザリングカラーを拭き取ります。地上運用での汚れを想定し、重力方向にに綿棒を動かします。
▲拭き取りが終わりました。わずかに茶色が定着しています。ミゾに塗料がのこりスミ入れも同時にできています。
▲綿棒が汚れたらすぐ取り替えます。汚れた綿棒でふき取ってもキレイにならないので、ガンガン換えましょう。
▲腕パーツも拭き取っていきます。(ハンドパーツにもスミが入って良い感じです)
▲重力方向を意識し綿棒を動かします。
▲パーツが入り組んでいる関節等は塗料が残りやすいので、曲げたり動かしたりしながら入念に拭き取ります。
▲これくらい拭き取れていればOKです!
EGガンダム
ウォッシング完了
白かったパーツが1段階くすんだ色になり、使い込んだ雰囲気が出てきました。加えて、パーツのミゾにスミが入り、引き締まった印象になっています。
全体的に色味が変わるので「フィルタリング」とも呼ばれています。
- 塗料は3、4倍に薄める
- 塗り漏らしがないようチェックする
- 拭き取りは重力方向を意識する
- 綿棒は汚れたらすぐ取り替える
▼土汚れにはグランドブラウン。
▼専用の薄め液で薄めましょう。
1-2.塗装ハゲ+α
次に塗装ハゲを表現していきます。
パーツの角やフチなどのよく擦れそうな部分に、スポンジで暗めの塗料をポンポンつけていきます。(スポンジチッピングといわれる技法)
▲塗料はアクリジョンの焼鉄色、スポンジは100円ショップのメラミンスポンジを使います。
▲塗料皿に焼鉄色を取り出します。希釈はせずにそのまま使います。
▲小さくちぎったメラミンスポンジに塗料をちょびっとつけます。
▲パーツの角などにスポンジの塗料をちょんちょんと付けていきます。付けすると不自然になるので、少しづつ。
▲このように、角や盛り上がった面の塗装がハゲている様子を表現します。
▲シールドは他のパーツより気持ち多めに塗装ハゲを描き込みました。実戦でどう使われたかを想像しながら描き込むのがコツです。
- スポンジの目の粗さ・細かさを意識する
- スポンジにつけた塗料は少し拭き取る
- カドや擦れやすい箇所に施す
- やり過ぎないこと意識する
雨だれ・砂汚れ
地上戦で付いたであろう汚れを描き込んでいきます。
まずは雨だれです。
装甲に付着した泥やホコリや雨によって流れ落ちた際に残る汚れです。
描き込みには、お手軽なマーカータイプの塗料を使っていきます。
▲リアルタッチマーカーからリアルタッチブラウン1をチョイス。泥や錆汚れの描き込みに便利です。
▲細い方のペン先でちょんと点を描き込みます。
▲ぼかしペンを使っても良いですが、面倒なので指で擦ります。重力方向を意識してサッと拭き取ります。
▲うっすらとペンの茶色が残っています。よく見ないとわからないくらいに留めておくのがポイントです。
▲つづいて砂汚れを付けていきます。「ウェザリングマスター」というマテリアルの「Aセット」を使います。
▲付属の専用スポンジを擦りつけ、ウェザリングマスターを付着させます。
▲これくらいスポンジに着いていれば良いでしょう。
▲足元を中心にスポンジをポンポンし、砂汚れを表現していきます。
▲一通り終わったら、ここまでの汚しをセーブしておきましょう。トップコート吹いて汚し塗装を保護します。
▼リアルタッチブラウン1が入ったセットはこちら!スミ入れや泥汚れ、油汚れなどお手軽汚し塗装に大活躍です。
▼砂汚れを付けるならウェザリングマスターAセット。
1-3.お手軽ハイライト
パーツのエッジに明るい色(ハイライト)を乗せていきます。パーツの角が強調され、角張った印象にすることができます。
▲どこにでもある白い色鉛筆。尖っている方が扱いやすいので、芯の先端を削っておきます。
▲色鉛筆でパーツのエッジ(角)にハイライトを描き込んでいきます。つや消しクリアを吹いたので色鉛筆が定着しやすくなっています。
▲色の濃いパーツにもハイライトを。やり過ぎると嘘くさくなるので、うっすら載せる程度を意識します。
色鉛筆を定着させるために、再度トップコートを吹きます。
色鉛筆は溶剤系のトップコートを吹くと薄まってしまうので、水性のトップコートを使います。
すべての汚し塗装が終わった後に1度吹くだけでも大丈夫です。
(筆者はこまめにトップコートを吹きがちなだけです)
2.ウェザリング後の各部位
HEAD
頭部
BODY
胴体
ARM
腕部
WAIST
腰部
LEG
脚部
WEAPONS
武装
3.完成!EGガンダム
EGガンダム
ファイティングポーズ
EGガンダム
ライフルで狙う
EGガンダム
背中で語る
EGガンダム
立ち膝も決まる
まとめ
以上、EGガンダムにウェザリングを施す解説でした。
シンプルなEGガンダムでも、アクリジョンで筆塗り全塗装し、デカールを貼ってウェザリングを施せば、情報量が増えてカッコイイ作品になりました。
ここまでシリーズ記事で紹介した工程は基本的なもので、難易度はさほど高くありません。
どんなに簡単な作業でも手を加えることで、他にはない「あなただけの作品」になるのです、
ぜひ、記事を参考に、自分なりの作り方を見つけてガンプラ製作を楽しんでみてください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
それでは、ステキな筆塗りライフを!
ENTRY GRADE 1/144 RX-78-2 ガンダム
770円 2021年05月発売(公式サイト)
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