ガンプラに基本工作をしてみよう!-HGエアリアルの制作
”基本工作”という言葉を聞いたことがありますか?
ガンプラ制作において完成度を高めるために行う基本的な工作を指します。
基本工作といわれるものは一般的に次のものです。
- ゲート跡処理
- 合わせ目消し
- 平面・エッジ出し
- モールドの彫り直し
- 安全基準フラッグ処理
今回は「安全基準フラッグ処理」「ゲート跡処理」「合わせ目消し」「モールドの彫り直し」について解説します。
使用キットはガンダムシリーズ「水星の魔女」のHGガンダムエアリアルです。
2022年10月に販売されたガンプラで、組んでみるとその進化に驚かされます。
HG 1/144 ガンダムエアリアル(バンダイ公式)
2022年10月01日発売

- 基本工作の必要性
- ゲート跡処理のやり方
- 合わせ目消しのやり方
- 安全基準フラッグの処理方法
それでは、さっそく組み立ててみましょう。
パチ組したエアリアル


HGながらディテールが細かく凹凸のあるパーツが特徴の情報量の多いキットです。
ちなみにポリキャップは使われていません。
比較的新しいキットですが、工作が必要なポイントを見ていきましょう。
1.工作ポイントの確認

▲頭部です。すべてがパーツ成形色で色分けされています。ゲート跡を消すだけで良さそうです。

▲アンテナに「安全基準フラッグ」といわれる突起が。ケガ防止が目的ですがカッコ悪いので切り落とします。

▲腕部は凹凸が多く複雑な形状です。スジボリなどの工作なしでも情報量が豊富ですね。

▲必要な工作はゲート跡処理くらいでしょうか。数は多いですが着実に処理しところ。

▲胴体です。複雑ですが印象的で一目でエアリアルとわかる秀逸なデザイン。

▲背中のビームサーベルにパーティングラインがあります。

▲ボディ背面にも若干のゲート跡があります。

▲腰部も多少のゲート跡があるので処理しましょう。

▲背面にもゲート跡がちらほら。目立つので処理した方が良さそうです。

▲大きな太ももが印象的な脚部。凹凸が多く複雑な形状です。

▲ヒザ下に合わせ目が。このキットの数少ない合わせ目のひとつです。

▲裏返すと、太もも・ふくらはぎの裏にも合わせ目がありました。

▲ビームライフル。ビットステイヴを接続し、ロングバレル化することにより、出力ブーストによる高火力化と共に射撃精度が向上するそうです。なんのこっちゃ笑

▲ガンプラの武装は”モナカ構造”がほとんとです。中央に合わせ目が出ています。

▲エスカッシャン。ファンネルのように分離し複数の「ビットステイヴ」による多目的攻防プラットフォームになるそうです(何じゃそら)。

▲裏側も複雑な形状です。これを筆塗りするのは大変そうです。
2.基本工作
ここまで確認した改修ポイントを処理していきましょう。
- 安全基準フラッグ
- ゲート跡
- 合わせ目
これらを処理する作業は「基本工作」と呼ばれます。
地味で面倒ですが、完成時の見栄えが格段に良くなるので、ぜひやってみてください。
2-1.安全基準フラッグの処理
安全基準フラッグはケガ防止のために、尖ったパーツの先端に設けられた突起です。
ガンダム系キットのアンテナにはこの突起が付いており、デザイン上は存在しないので切り取りましょう。
※切り取った後はくれぐれもケガにご注意ください!

▲安全基準フラッグを切るためにブレードアンテナを取り外します。

▲専用ツール「パーツオープナー」でパーツを外します。先端の金属部を隙間に差し込みパーツを外すのです。

▲パーツの隙間に先端を差し込み、やさしく動かします。強引やるとパーツがえぐれるので慎重に。

▲アンテナが外れました。フラッグを切り落としていきます。

▲点線のようにニッパーの刃を沿わせ、突起を切り落とします。

▲切り落とした後がこちら。切りすぎないよう突起を少し残すのがポイントです。

▲残った突起は金属ヤスリで削ります。ヤスリは押して使う道具なので、一方方向に押して削ります。

▲残っていた突起がキレイになりました。反対側も同様に処理しましょう。
2-2.ゲート跡処理
ゲート跡は、ランナーからパーツを切り離した後に残ったゲート(プラスチック樹脂が流れ込むところ)の跡です。見栄えが悪くなる厄介者。
ヤスリやデザインナイフを使い削り落とします。

▲処理しやすいよう対象のパーツを外していきます。

▲誤って他の部分を削らないよう、パーツは外してから処理しましょう。

▲フチの中央に見えるゲート跡を処理していきます。

▲まずは金属ヤスリで削ります。切削面と水平になるようにヤスリを当てやさしく押します。

▲つづいてデザインナイフの背でカンナ掛けをし、ヤスリ掛けで残った突起を削っていきます。

▲ご覧のとおりゲート跡がキレイに処理できました!
▼ゲート跡処理の詳細はこちらをご覧ください。

2-3.合わせ目消し
合わせ目とは組み合わせたパーツの境目で、前面に出るものは目立つので見栄えが悪いです。
処理方法は「接着剤による圧着」と「段落ちモールド化」の二通りがあります。
1)接着剤による圧着
スチロール樹脂系の接着剤でパーツを接着し、合わせ目を消します。
接着剤がプラスチックを溶かすので、溶接するようにパーツを接着することができます。

▲中央にパックリと合わせ目が出た肩パーツ。これを消していきましょう。

▲接着剤を流し込む隙間を開けます。合わせ目にパーツオープナーを差し込みます。

▲隙間は髪の毛1本程度が理想的です。

▲樹脂性の接着剤(タミヤセメント)を使います。今回は「流し込みタイプ」というサラサラしたものを使用。

▲蓋のハケで接着剤を流し込みます。毛細管現象で接着剤がスーッと入れば成功です。

▲スーッと入らなくてもハケで塗りたくればOKです(笑

▲パーツを指で圧着します。接着剤と溶けた樹脂がむにゅっと出てきます。この状態で一晩おきます。

▲一晩おいたパーツがこちら。むにゅがしっかり固まって硬くなっています。

▲はみ出したむにゅを削ります。金属ヤスリをやさしく動かして大まかに削りましょう。

▲ヤスった後はデザインナイフの背中で表面をカンナ掛けします。こちらもやさしく慎重にやります。

▲この通り、中央にパックリ空いていた合わせ目がキレイになりました!
▼合わせ目消し詳細はこちら!

2)段落ちモールド化
段落ちモールド化とは、合わせ目に沿って細いミゾを彫り込むことで、合わせ目をデザインの一部にしてしまうことをいいます。
言葉で説明するのは難しいので、実際にやってみましょう。

▲接着すると後からハメられない箇所は段落ちモールド化がおススメです。※後ハメ加工する手もありますが難易度がチョイ高いです。

▲パーツの合わせ目に沿って片側のパーツをナイフの背でカンナ掛けします。

▲これがタガネで削るためのガイドラインになります。

▲つづいて0.3mmのタガネで作ったガイドラインをなぞっていきます。

▲0.3mmで削った後は0.6mmのタガネで仕上げます。ゆっくりタガネを動かます。

▲毛羽立ちをヤスリで整え、合わせ目が段落ちモールドになりました!

▲同じようにヒザ下の合わせ目も段落ちモールドにしました。
2-4.モールドの彫り直し
モールドやミゾを彫り直しておくとキレイにスミが入るようになります。
効果が出るのは後になりますが、格段に見栄えが良くなるのでぜひやっておきたい作業です。

▲先端が針状の「ケガキ針」でモールドを彫り込んでいきます。

▲ミゾがある頭部パーツの赤い線の部分を彫り込んでいきます。

▲力を入れず少しずつなぞります。気を抜くと滑って他の部分にキズが付いてしまいます。※針を持つ手の指をパーツに押し当てて固定すると手振れしにくいです。

▲掘り込みました。わかりにくいですがミゾが深くなっています。

▲続いて彫り込んだミゾをデザインナイフの背でなぞります。ミゾに角度をつけ別パーツ感を出すのです。

▲なぞる前と比べ、別々のパーツが組み合わさったような雰囲気が出ました。

▲頬ダクトの細かいミゾも彫り込んでおきます。エアリアルはダクトのようなパーツが多いので、彫り込んでおくと効果的です。

▲彫り直した頭部を組み立てました。少しくっきりしたような気がします。

▲続いて複雑な形状のボディパーツも掘り直します。ミゾに針を添わせます。

▲彫り直したミゾをデザインナイフの背中でなぞり、別パーツ感を強調します。

▲ミゾが深くなりました。塗装後のスミ入れが楽しみです。

▲凹凸が多いパーツは陰影が強調されるので掘り直し甲斐があります。
1)罫書き針の毛羽立ち対応
ケガキ針で彫ったミゾの淵は毛羽立ってしまいます。
ミゾの上からをヤスリで削り毛羽立ちを整えましょう。

2)デザインナイフで別パーツ感を強調
彫ったミゾの角を削って角度を付けることで、パーツが分かれている感じが強調できます。
簡単に立体感が出るのでおすすめの工作です。

3.基本工作の完了
基本工作が終わった
エアリアル




まとめ
以上、HGガンダムエアリアルの基本工作紹介でした。
ポリキャップレスキットの宿命か多くのパーツがKPS※製で柔らかく毛羽立つので、基本工作はやりづらかった印象です。
ABSの代替としてバンダイが開発した新素材で、強化ポリスチレンの略です。
冗談のようですが、”Kyouka PolyStyrene”の頭文字をとってKPSだそうです。
※引用:ピクシブ百科事典
KPSは色々と物議を呼んでおり、ブログで物申している方もおられます。
KPSについて物申す!
面倒ですが、基本工作はやっておくと完成時の見栄えが格段に良くなるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね☆
それでは、ステキな筆塗りライフを!
▼モールドの彫り直しについてまとめました。

▼エアリアルにスジボリしてみました。






