【ガンプラ改造】股関節の位置をずらしてプロポーションを変更しよう!
前記事からつづき、HGUCジムのプロポーションを変更し、スタイリッシュにする試みです。
ガンプラを組んでみるとちょっと手足が短いなとか、体形に違和感を覚えることはありませんか?
こちらのHGジムさんを見てみましょう。


決してバランスが悪いわけではないですが、頭部が少し大きめで、最近のHGガンプラと比べると等身が低いのが気になります。

そして見てください。これは説明書にあるアクションポーズの写真です。
可動域が狭いので、全然アクションしているように見えません。(笑
そこで今回は、股関節の位置を変更し可動域を広げてみようと思います。
道具や材料が必要ですが、簡単な工作で改造することができるので、最後までご覧いただけると嬉しいです。
それでは本編をどうぞ!
1.股関節位置を変更する
1-1.改造方法を決める

▲膝を上げると太ももがフロントアーマーに干渉するので、キットそのままの状態では足がほとんど上がりません。
股関節の位置がもう少し下がれば、脚の可動が良くなるのに加え、立ち姿もスタイリッシュになりそうです。
▲こちらが股関節です。
この頃のキットによくある、PS樹脂の3ミリ軸ボールジョイントです。折れやすいので私を含め嫌いなモデラーが多いのではないでしょうか。
軸の下にスペースがあるので、関節軸を下にずらすことができそうです。

1-2.股関節軸を切り落とす
股関節軸の位置変更は、軸を切り落として再接着する方向で進めます。

▲これから軸の位置を変える工作をしていきます。水色の装甲パーツは工作の邪魔になるので、予め外しておきます。

▲ホビー用のノコギリを使って軸を根元から切り落とします。今回は小さくて取り回しの良いオルファのホビー用細工のこを使います。私は買ってきたばかりで初めて使います。

▲刃は細刃・広刃から選び自分で装着します。先端にアジャスタがあり、持ち手部分を反時計回りに回して緩めます。持ち手部分の黒い部分はゴム素材で滑らず持ちやすそうです。

▲刃は広刃を使うことにしました。根元をアジャスタにセットし、時計回りに回してしっかり締めます。刃幅は非常に薄いです。

▲念のため工作前に軸の長さを測っておきましょう。軸の長さが変わると立ち姿のバランスが崩れてしまいます。ボールジョイントの頭を含めると7mmといったところです。

▲股関節軸の根元すれすれにノコギリの刃当て、刃がずれないようにギコギコします。薄刃なので左右の力で刃が反り返りやすいため、力を入れすぎないように。ホビー用とはいえ刃物なのでケガには注意しましょう。

▲しばらくギコギコすると、軸を切り落とすことができました。軸の根元すれすれで切ったため、付け根側のパーツにキズが付いてしまいました。後で傷を埋める必要があるでしょう。

▲同じように反対側の軸も切り落とします。軸の根元すれすれに刃を入れます。切り落とした軸は後で使うので無くさないように取っておきましょう。

▲ギコギコするとプラスチックのカスが出ます。舞い散らないよう水を張った容器を置き、その上で作業すると良いでしょう。

▲使い終わったノコギリはハケなどで粉塵を払ってきれいにし、付属のビニールカバーをかぶせてしまいましょう。危ないので刃がむき出しにならないようにしましょうね。

▲ノコの刃でキズが付いてしまった腰部パーツは瞬間接着剤で埋めてしまいましょう。1時間ほどで完全に硬化するので、固まったらヤスリをかけてキレイにします。
▼取り回しやすいホビーのこは工作初心者にもオススメです!
1-3.真鍮線を切り出す
軸を再接続する作業で真鍮線を使います。
ずらした股関節軸の根元に真鍮線を突き刺すのです。
真鍮線を使うのは、接着しただけでのプラスチックは強度が弱くそのうち折れてしまうからです。



1.5mm径の真鍮線を使います。
細すぎると強度が心配ですが、1.5mmもあれば大丈夫でしょう。
ニッパーで切ると刃がかけるので、ラジオペンチで断ち切ることにします。
突き刺すのにちょうど良い長さに切り出しました。
▼プロポーション変更のだけでなく、折れた軸の修理にも役に立ちます!
▼真鍮線を切るなら丈夫なラジオペンチを用意しましょう。
1-4.真鍮線を通す穴を開ける

▲切り落とした股関節軸に真鍮線を通すための穴を開けていきます。ケガキ針を使い、穴あけ位置の目印として小さな点を付けます。軸の中心からずれないように気を付けましょう。

▲はじめに1.0mmのドリル刃を使います。使っている刃は径の異なるものが複数入ったタミヤのドリル刃セットです。

▲ケガキ針で開けた穴をガイドにドリル刃の先端を突き刺し、時計回りに回します。1.0mm径のドリルはピンバイスにハマらなかったので手で回しています。

▲1.0mmの穴を開けることができました。穴が浅いと真鍮線が奥まで入らず軸の強度が上がらないので、4mm程度の深さまで開けておきましょう。

▲つづいて1.5mm径のドリル刃を使って穴を広げていきます。軸の中心からずれないよう気を付けながら、ゆっくり慎重に穴を広げましょう。手で回しにくければピンバイスにセットしましょう。

▲1.5mmの穴が開きました。真鍮線も1.5mm径なので、穴の大きさはこれでOKです。左右両方の軸パーツに穴を開けて軸側の加工は完了です。

▲つづいて腰パーツに、新しい軸を取り付けるための穴を開けていきます。元の位置から3mmほど下がった場所に軸を取り付ける想定です。シャーペンで取り付け位置を下書きしておきましょう。

▲ドリル刃を使う前にケガキ針でアタリを付けておきましょう。ドリル刃がずれないようにガイドとなる穴を開けておくのです。

▲1mmのドリル刃を使い、軸を新設する箇所に穴を開けていきます。反対側からも同様に穴を開けます。位置がずれないように気を付けましょう。

▲1mmの穴が開いたら、つづいて1.5mmのドリル刃で穴を広げます。急いで雑に作業すると穴が広がり過ぎる場合があるので、慎重にやりましょう。

▲反対側の穴も1.5mmに広げることができ、晴れて穴が貫通しました!

▲横から見るとこんな感じ。位置が左右でピッタリ合っているので、穴の向こう側が見えています。(白い部分)初めての試みでしたが、うまくいきました。
▼径の異なるドリル刃のセットです。ガンプラの穴あけにはコレ!
1-5.真鍮線を通し軸を接着する

▲貫通させた穴に切り出した真鍮線を突き刺します。穴の位置がずれていると上手く入らないので、そういう場合はドリル刃で穴を開け直して位置を調整しましょう。

▲このように左右が同じ長さになるよう突き出た部分の長さを調整しましょう。

▲突き刺した真鍮線を接着します。使うのは模型用の瞬間接着剤です。今回は接着強度が強い「高強度」タイプを使います。

▲差し込んだ真鍮線の周辺に接着剤を流し込み、接着します。たっぷり塗ってシッカリ接着されるようにしましょう。

▲開口しておいた軸パーツを真鍮線に突き刺します。ドリルで開けた穴に瞬間接着剤を流し込んでから差し込みます。そうすることでハマると同時に接着され、抜けなくなります。

▲右側も同様に接着剤を流し込んで真鍮線に突き刺します。よく見ると左の軸は少し下に傾いてしまいました。おそらく、切り落とした軸に開けた穴の向きが曲がっていたのでしょう。
▼プラ・金属の接着にはウェーブの瞬着です。キズ埋めにも使えます!
2.足パーツを取りつける

▲股関節の位置が下がったことで足の付け根も下にずれました。
工作前は見えなかった脚部付け根がフロントアーマーから顔を出しています。股関節も少し見えますね。

▲股関節位置が下にずれたことで足が長くなり、等身が7→7.5に上がりました。
少し背も高くなっています。
3mm程度ずらしただけなので、そこまで身長は伸びていません。
これ以上伸びると不自然かもしれません。

▲脚部の可動軸が下がり、脚を上げた際に太ももがフロントアーマーに干渉しにくくなりました。
90度ほど上げることができるので、ポージングの幅が広がります。

▲リアアーマーにも干渉しにくくなり、わずかながら後ろ側にも上られるようになりました。
バーニアの噴射で飛んでいるポーズも取りやすくなっています。
まとめ
以上、HGUCジムを改造し股関節の位置を下げる工作の紹介でした。

股関節位置を下げたことで脚部が反るようになり、首の延長でアゴが引けるようになことで「S字立ち」ができるようになりました。
簡単な工作でしたが、これだけでもスタイリッシュになりました。
ポイントを振り返っておきましょう。
- のこぎりの歯は根元に入れる
- 穴は軸の中心にゆっくり開ける
- シッカリ接着する
- 接着時、左右対称に調整する
金属素材や、ラジオペンチ、ノコギリなどを使うためハードルはあると思いますが、やってみると意外と簡単です。
特に、古いキットはプロポーションを変えると見違えるほどカッコよくなるので、ぜひ記事の内容を参考に好みのスタイルに改造してみてくださいね!
最後までご覧いただきありがとうございました!
それでは、ステキなガンプラライフを!
HGUC 1/144 RGM-79 ジム
770円 2001年04月発売(公式サイト)
▼古いキットでポーズもあまり決まりませんが、パーツが少なく練習にはもってこいです!
▼工作には扱いやすいオルファのホビーのこが便利です。
▼ガンプラの穴あけ工作にはこちら!
▼軸の補強には丈夫で扱いやすい真鍮線を使いましょう。
▼ウェーブの瞬間接着剤。工作・キズ埋めに超絶便利です!
▼記事で紹介したHGジムさんの作例ページです。良ければどうぞ!





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