ガンプラのスジボリに必要な道具とコツを紹介!タガネ・ケガキ針・ガイドテープ
みなさん、ガンプラにスジボリしてますか?
スジボリとは、プラモデルを彫り込みモールドを追加・強調することです。
ディテールアップ工作の定番ですね。
定番といっても必要な道具が多く慣れが必要なので、こんなハードルを感じる方も多いでしょう。
- どんな道具が必要なの?
- タガネとケガキ針ってどう違うの?
- ガイドテープは使うべき?
- 初心者でもできるの?
- 曲がったりはみ出たりしてしまう
筆者も、見よう見まねで初めて彫ったガタガタ・ヨレヨレのスジボリをよく覚えています。
上達したくて練習し、今ではフリーハンドでキレイにスジボリできるようになりました。
そこで今回は、スジボリの初心者向けによく使うスジボリ道具とその使い方を解説します。
記事のおわりに上手にスジボリするコツも紹介するので、せひ最後までご覧ください。
■彫る道具
■補助する道具
■その他の道具
※ダイヤモンド砥石の紹介記事をアップしました(2024/11/10)
1.彫る道具
スジボリはプラモデルを彫る工作です。まずは彫る道具から見ていきましょう。
1-1.タガネ
▲タガネは刃先がエッジの効いた平刀型で、均一な幅のスジボリが可能です。
タガネ本体は金属製で、持ちにくい場合はタガネホルダーやピンバイスにセットして使います。
※ホルダー、ピンバイスは別売りです。
刃の厚さは0.1mm ~ 1.5mmとバリエーションが豊富で、ガンプラのスケールによって使い分けるのが一般的です。
※最近は0.1mm未満の極薄のものもあります。
※1/144は0.2mm、1/100は0.3mmが良いと言われています。好みで選びましょう。
▲こちらのタイプのタガネは、短いのでそのままでは使えず、ピンバイスにセットして使います。
※ピンバイスについて以下の記事でまとめています。良ければご覧ください。
1)メジャーな商品
販売されているメジャーなタガネはこちら。
BMCタガネは非常に人気がある商品で、価格帯も高く常に品薄状態です。
Amazonなどの通販サイトで手ごろなものが売られているので、ブランドに拘らない人にはオススメです。
2)取り扱い上の注意点
刃先は非常に硬く粘りが無いため、ねじりや横方向の力で折れる可能性があります。
床に落とすと高確率で折れます。筆者は3本ほど折りました(涙
▼筆者が普段使っている0.15mmのタガネです。切れ味は良くリーズナブルなのでスジボリ初心者にオススメです!
▼タガネ本体は角ばった金属で彫ると手が付かれるので、持ちやすいホルダーに入れて使いましょう。BMCタガネホルダーとありますが、ある程度どのタガネでもセット可能です。
1-2.ケガキ針
▲ケガキ針は先端が針状になっている道具です。
もともとは模型用ではないようですが、線を引くことができるので、プラモデルのスジボリにも使うことができます。
先端がとがっているので、シャープなモールドを彫ったり、細かい造形を彫り直したり、幅広く活躍してくれます。
タガネとケガキ針の違い
タガネ | ケガキ針 | |
---|---|---|
先端の形状 | 平刃 | 針状 |
ミゾの断面 | 四角形 | V字 |
得意な方向 | 直線 | どの方向でも |
■ミゾの断面
先端が平刃のタガネで彫ったスジボリは、ミゾの断面が四角くなります。
一方、針状のケガキ針で彫ったスジボリは、ミゾの断面はV字になります。
深堀した場合、タガネはミゾの幅が変わらないのに対し、ケガキ針はミゾの幅が広くなるのです。
■彫るのが得意な方向
タガネ … 刃先の形状から直線を彫るのに向いています。
ケガキ針 … 針状なのでどの方向にも動かしやすく、特に曲線を彫るのに向いています。曲線既存モールドの彫り直しに最適です。
▼ケガキ針でもスジボリできますが、筆者は元からあるモールドの彫り直しをメインに使っています。キレイにスミ入れするには必須の道具です。
1-3.番外:デザインナイフ
通常はゲート跡を削ったりプラ板を切ったりしますが、デザインナイフでもスジボリが可能です。
タガネがない場合にやむを得ず使う程度で、あえて選ぶ必要はないでしょう。
2.補助する道具
2-1.スジボリガイドテープ
キレイなスジボリにはガイドが欠かせません。
専用のスジボリガイドテープを使いましょう。
テープには硬さ、幅、透明度などのバリエーションがあるので、しっくりくるものを使いましょう。
ハイキューパーツの透明なプラスチックテープです。透明なので下書きやパーツ形状を視認しやすく、初心者向けのテープと言えます。
幅は3mm、6mmのものがあり、スジボリする場所に合わせて使い分けると良いでしょう。
同じくハイキューパーツのガイドテープですが、硬いプラスチックタイプのテープです。
もともとガイド専用に作られたものではないらしく、裏面のフィルムが剥がしにくいので、ピンセットなど尖ったものを使うと良いでしょう。
粘着力が強くテープ本体も丈夫なため、剥がして何度か使うことができるコスパの良いテープです。
2-2.曲面用マスキングテープ
タミヤの曲面用マスキングテープです。
伸縮性がある素材のため曲線に沿わせて貼ることができます。
マスキングテープなのでスジボリ用ではありませんが、筆者は曲線を彫る際のガイドとして使っています。
2-3.スジボリテンプレート
同じモールドをいくつも彫る場合や、凝った形状を彫りたい場合は、テンプレートが便利です。
写真のようなテンプレートは通販サイトでよく見かけます。
購入する他に、プラ板でテンプレートを自作することもできます。(面倒くさがりの筆者はやりません)
3.その他の道具
3-1.スポンジヤスリ
筆者愛用ゴッドハンドの「神ヤス!」です。
板状のものをカットして使っています。
スジボリした直後のミゾは、周辺が毛羽立っています。見ばえが悪いので、ヤスリでキレイにしましょう。
3-2.瞬間接着剤
模型用の瞬間接着剤です。
”瞬間”と謳っていつつも、硬化には時間がかかります。
※説明書には数分とありますが、筆者は1時間程度置きます。
失敗したスジボリに流し込み、ミゾを埋めて無かったことにします。
3-3.デザインナイフ
デザインナイフでミゾの角を落とすと、ミゾが立体的に見えパーツが分割されているように見せることができます。※詳細は後述
4.スジボリしてみる
では、ここまで紹介した道具を使い、実際にスジボリしてみましょう。
4-1.スジボリガイドテープ
▲彫りたいスジボリのデザインをシャーペンで下書きします。今回はテキトーですが、気に入ったデザインになるまで何度もやり直します。
▲ガイドテープを切ります。モールドの1辺より少し長いくらいが良いでしょう。
▲硬いタイプのテープは裏面にフィルムが付いています。指では剥がしずらいので、デザインナイフの先端など尖ったもので剝がします。
▲このように、フィルムを剥がすと粘着面が出てきます。
▲下書きに合わせてテープを貼りつけます。粘着力が強いのでシッカリくっつきます。
▲テープをガイドにしてタガネをゆっくり動かします。力を入れる必要はありません。同じところをやさしく何度もなぞります。
▲彫り終えたミゾがこちら。まっすくキレイにスジボリできています。。
▲続いて次の直線を彫っていきます。粘着力が強いのでテープは何度も貼り直せます。
▲貼ってはやさしく彫り、貼ってはやさしく彫りを繰り返します。
▲すべてのモールドを彫り終えました。ミゾの淵が毛羽立っているので整えます。
▲デザインナイフの背で彫ったミゾの”角”を落とします。角度を付けてナイフを動かします※写真の順序が前後していますが、ご了承ください。
▲ヤスリをかけて毛羽立ちを整え、ミゾに角度をつけたらできあがりです!
▼硬いテープでガイドにしやすく、粘着力が強いので何度か剥がして使えます。
▼透明なテープなので、貼ったパーツの形状を視認しながら彫ることができます。初心者にはこちらがオススメです。
4-2.曲線用マスキングテープ
▲今度は曲線を彫ってみます。シャーペンで曲線の下書きをします。
▲曲線マスキングテープを貼りつけます。テープは伸縮性があるので、少し伸ばして曲線に沿わせます。
▲このように曲線に沿わせて貼り付けます。
▲テープをガイドして、ケガキ針をゆっくりやさしく動かします。力は入れません。テープは柔らかいので力を入れるとすぐにズレてしまいます。
▲曲線部分が彫り終わりました。4~5回なぞればOKでしょう。
▲テープを剥がすとこの通り、下書きの上から曲線のモールドができています。
▲残った直線部分は硬いテープとタガネを使って彫ります。
▲ヤスリで毛羽立ちを整えミゾの角を落としたら、できあがりです!
▼キレイな曲線を彫るなら曲線マスキングテープを使いましょう。柔らかいテープなので、筆者は2重に重ね厚みを出して使っています。
4-3.スジボリテンプレート
▲テンプレートはこのようにパーツに押し当てて使います。ズレを防ぐためマスキングテープなどで固定します。
▲テンプレートをガイドにモールドを彫り込みます。
▲彫ったモールドを整えるとご覧の通り。よくあるクランクモールドも簡単に彫ることができます。
5.失敗したら瞬間接着剤
初心者のうちは、なども失敗することでしょう。
スジボリはやさしくゆっくり掘るのがキホンですが、それでもズレたりはみ出したりするものです。彫ったモールドが気に入らず、やり直したくなることもあるでしょう。
そんな時は「瞬間接着剤」を使って失敗したモールドを埋めてしまいましょう。
▲プラモデル用の瞬間接着剤です。粘度の高い・低いもの、透明なもの、黒いもの等バリエーション豊富です。
▲埋めたいモールドに接着剤を流し込みます。粘度が低いタイプだと埋めたくない部分にも流れてしまうので注意。
▲”瞬間”といってもすぐには固まりません。1時間くらい置いておきます。
▲硬化して盛り上がった接着剤をヤスリで削っていきます。なかなか硬いので金属ヤスリを使います。
▲ある程度削れたら400番くらいのヤスリでごしごしします。カスがたくさん出るくらい削ります。
▲キレイになりました。接着剤の盛り上がりがなくなっていればOKです。
塗装しない場合はすこし跡が目立ちます。
このように、失敗したスジボリを無かったことにしてくれるので、安心ですね!!
消した後はスジボリの跡が残ります。
塗装すれば見えなくなるので問題ありませんが、無塗装の場合は我慢するかウェザリングなどでごまかします。
スジボリは失敗しながら上達します。
筆者もなんど接着剤のお世話になったことか…!
まとめ
以上、スジボリに必要な道具の紹介でした。
すこし長くなったので要点をまとめてみましょう。
タガネ | ・スジボリの定番ツール ・直線を彫るのが得意 ・BMCタガネが有名も入手困難。通販サイトに手ごろなもの多し |
ケガキ針 | ・先端が針状で曲線を彫るのが得意 ・既存モールドの彫り直しでも大活躍 |
デザインナイフ | ・スジボリはできるが専用ツールではない ・ミゾの角を削って立体的に見せよう |
ガイドテープ | ・使うときれいにスジボリできる ・硬さ・幅・透明度に種類がある |
曲線用マステ | ・伸びるので曲線に沿わせられる ・柔らかいので力を入れず彫る |
テンプレート | ・同じ形状のスジボリを量産できる ・購入、または自作もあり |
- シッカリ下書きする
- テープは下書きに沿わせる
- 彫る際は力を入れず何度もなぞる
- 失敗したら瞬着で埋めてやり直す
筆者は、こんな風にタガネを持つ手の小指をパーツに付けて、手ブレを防止しています。
やり方は人それぞれですが、参考になるようでしたらどうぞ!
スジボリができるようになると製作の幅が一気に広がります。
Xや投稿サイトで見るカッコイイ作例は、たいていスジボリが施されているのです。
上達には数をこなす必要がありますが、習得すれば製作が楽しくなること間違いなしです。
まずは、簡単な直線のスジボリからチャレンジしてみてくださいね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
それでは楽しいスジボリライフを!
▼薄いタガネは折れやすく、消耗品と思ってよいかもしれません。安価で十分使えるこんなタガネがオススメです。
▼キレイなスミ入れにはモールドの彫り直しが必須です。先端が針状でどの方向でも彫りやすいケガキ針を使いましょう。
▼興味があれば、スジボリのデザインについての考察をまとめたこちらの記事もどうぞ!
おまけ
スジボリにこだわった筆者の愚作です。
よけれ見てやってください。
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